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育成クラブとして定着したマインツ…小クラブの“強み”を生かす具体策

2021.02.28

ホームグロウン選手が33%を占めるなど、“育成クラブ”としての評価が定着したマインツ。選手、指導者の両面で優秀な人材を集め、育ててトップチームへ、そしてさらに大きなクラブへと送り出すそのノウハウを、育成部統括のフォルカー・ケルスティングが語った。

 ドイツ国内で育成に定評のあるクラブとして、マインツが挙げられる。岡崎慎司や武藤嘉紀が活躍したことで、日本でも馴染みのあるクラブだ。2020年夏の時点で、“ホームグロウン”の選手が占める割合は33%と、欧州5大リーグ所属チームの中で4位に入る。ちなみに、1位はマンチェスター・ユナイテッド、2位にはアスレティック・ビルバオ、そしてセルタが3位だ。

 2014年にドイツ代表として世界王者にも輝いたアンドレ・シュールレやエリック・ドゥルムを筆頭に、現ドイツ代表のスアト・セルダー、リードル・バクーらを輩出している。

 監督に目を移すと、ユルゲン・クロップ、サンドロ・シュバルツ、マルコ・ローゼ、そしてボー・スベンソンのような元選手の他に、トーマス・トゥヘルやマルティン・シュミットのように育成年代の監督からトップチームの監督として引き上げられ、ステップアップした指導者の名前が続く。……

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サンドロ・シュバルツボー・スベンソンマインツユルゲン・クロップ

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。

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