
2021年1月に開催されたコパ・スダメリカーナで、監督としての初戴冠を遂げたエルナン・クレスポ。現役時代は攻守に汗を流し、最後の最後まで戦い抜くファイターとして鳴らした45歳の元アルゼンチン代表ストライカーは、いったいどんな指導者になろうとしているのか。これまでの歩みから指導理念、タイトル獲得の要因についてChizuru de Garciaさんに綴ってもらった。
コパ・スダメリカーナ2020を制覇したのは「デフェンサ・イ・フスティシア」という、国際舞台では聞き慣れない名前のクラブだった。デフェンサは2014年にアルゼンチン1部リーグに昇格したばかりの小さなクラブで、国際大会でタイトルを取ったのはこれが初めてのこと。そのデフェンサの監督を務めていたのが、かつて屈指のストライカーとして世界にその名を轟かせたエルナン・クレスポである。
「忠誠心」と「ゲームモデル」
「私のチームは、私自身の人生哲学と関係がある。私はじっとしているのが苦手で、自分から提案して築き上げていくことが好きだ。座ったまま何が起こるのかを待つのは嫌いで、自分の運命の主になりたいと思っている。時には失敗もするし、うまく行くこともあるが、いずれも忠誠心と敬意があってこそ。私はそれをチームに植えつけようとしているんだ」(『クラリン』紙より)……
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Profile
Chizuru de Garcia
89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。
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