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G大阪の“三笘封じ”を凌駕し2冠達成。フロンターレの、日本サッカーの“正解”に逆行する「サポート」と「プレーテンポ」

2021.01.08

第100回天皇杯決勝分析

今季Jリーグトップ2の対戦となった天皇杯決勝。2位に勝ち点18差の独走でリーグを制した王者川崎フロンターレに対し、ガンバ大阪が施した対策とは? そして、その対策を攻略し2冠を達成した川崎の、これまでとは違う強さの秘密の一端を明らかにする。

 コロナ禍によって、誰の心にも深く刻み込まれることになった2020年のJリーグを、史上最強との声も挙がるほどの鮮烈な強さで制した川崎フロンターレ。シーズンの締め括りであり、同時に新たな年の出発でもある元日の天皇杯決勝でも、彼らはその強さを見せつけて貫禄の2冠を達成した。対するは、今季常に好調だったわけではないものの、不気味な存在感を放ち続け最終的にはリーグ2位でフィニッシュしたガンバ大阪であった。コロナ禍に伴う天皇杯の特殊なレギュレーションによるところが大きいとはいえ、Jリーグの首位対決の続きが見られる格好の機会とあって、注目を集める対戦となった。

狙い通りの展開の、狙い通りではない部分

 2020年11月25日、G大阪は勝てば優勝が決まる首位川崎に対して5-0で大敗し、目の前で優勝を決められるという屈辱を経験した。この敗戦が影響したのか、今回の天皇杯決勝において、G大阪のゲームプランは前回対戦時から大きく変更された。具体的に言えば、リーグ戦の終盤には守備時[4-4-2]のミドルブロックを好んで用いていたが、この天皇杯決勝では[5-4-1]で比較的低い位置にブロックを敷く時間が長い戦い方を選択してきた。これは明らかに、高い技術を持つ選手ばかりをズラリとそろえる川崎に対してボールを奪いに行ってはいなされ、前進を許してしまった前回対戦の反省を踏まえ、多少ボールを持たれる時間が長くなってもまずは守備の安定を追求するという戦略であった。……

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ガンバ大阪天皇杯川崎フロンターレ戦術

Profile

山口 遼

1995年11月23日、茨城県つくば市出身。東京大学工学部化学システム工学科中退。鹿島アントラーズつくばJY、鹿島アントラーズユースを経て、東京大学ア式蹴球部へ。2020年シーズンから同部監督および東京ユナイテッドFCコーチを兼任。twitter: @ryo14afd