娘から見た父、サポーターから見た監督、森山佳郎。“最強のベガルタファミリー”森山あすかさんインタビュー

ベガルタ・ピッチサイドリポート第22回
ベガルタ仙台を追い掛ける、ある女性のYouTubeチャンネルが注目を集めている。タイトルは「森山あすかのあすPぱんちくりんチャンネル」。出演しているのは森山あすか。ベガルタを率いる森山佳郎監督の愛娘である。父親譲りの明るいキャラクターも心地良く、仙台愛にあふれた動画はサポーターからも大きな反響を得ているようだ。今回はおなじみの村林いづみが、そんな“最強のベガルタファミリー”である彼女の横顔に迫る。
2024シーズン、「最強のベガルタファミリー」が仙台サポーターの前に現れた。その人とは、森山あすかさん。ベガルタ仙台監督、森山佳郎氏の長女だ。“ホンモノのファミリー”は、父が新たな戦いの場として選んだ仙台に住み、YouTubeチャンネル「森山あすかのあすPぱんちくりんチャンネル」ではスタジアムや街の魅力、ベガルタサポーターとして過ごした喜怒哀楽の日々を、彼女らしい明るさと親しみやすさで伝え続けている。サポーターとしての彼女の生態、そして彼女から見た「父・森山佳郎、監督・森山佳郎」をたっぷりと語ってもらった。

仙台サポーターからの大きな反響。YouTubeで感じた自分を表現する喜び
――まもなく2025シーズンのJリーグが開幕しますね。このオフシーズンはどう過ごしていますか?
「この期間こそ、YouTubeをがんばろうと日々撮影したりして過ごしているんですが、『早く試合の日々が来ないかな?』と待ち遠しい毎日です。キャンプ地にも行きたかったですね。サンフレッチェ広島との練習試合もあるし、もっとん(中島元彦選手)のいるセレッソ大阪とも練習試合もありましたしね。見たかったなと思いつつ、開幕戦のサガン鳥栖戦に行く予定なので、そこまで我慢しています(笑)」
――改めて、あすかさんが仙台に引っ越してきたのは昨年のことでしたね。どのような経緯でしたか?
「昨年(2024年)7月ですね。オーストラリアに留学していて、一度日本に帰ってこようと思ったんです。日本ではどこに住もうかと考えた時に、父が仙台にいました。実家の広島や東京など、いろいろ考えましたが、少し仙台で過ごしてみると街の魅力がものすごかったんです。おいしい海鮮があるし、住みやすい。自然も豊かで、それが街と融合している。その過ごしやすさに惹かれて仙台に住むことにしました。居酒屋も好きなので、仙台ではこんな素敵な居酒屋めぐりができるんだと、海外から帰ってきたからこそ、より強く感じたのかもしれません」
――YouTubeでは仙台の居酒屋での動画もたくさんアップされています。仙台の居酒屋文化を絶賛されていましたね。
「仙台は街の大通りを少し入ると、横丁がたくさんあるんです。そういうところに気軽に入れる雰囲気があります。横丁が多いですよね。狭い範囲にいくつも横丁があり、ふらりと入りやすい。この感覚は初めてでした。お酒を飲む人からしたら、最高の環境です。仙台は日本酒がおいしいですよね。お米も本当においしいです」
――仙台サポーターからも好評のYouTubeは、仙台に来る前から立ち上げていたんですよね。
「はい。でも以前はそれほど本腰を入れていませんでした。留学をし、オーストラリアでの生活を1~2分ほどの日記にして軽く上げていました。本格的に動画を上げるようになったのは、仙台に来てからです。ベガルタの試合の日の動画を公開すると反響を頂けるようになりました。こんなに反響を頂けるとは思っていなかったです。そこから動画を作る部分の楽しさも覚えるようになりました。芸人をやっていて、映像に出る側だったこともありましたが、『楽しいかも!』と思えるようになって本格的に取り組み始めました」
――撮影、出演し、映像編集もする。テロップをつけて、ナレーションを入れて、音楽も選ぶ。全部一人でやっているのですか?
「はい。全部一人です。楽しいですよ。正解がないので、好きなように編集できる楽しさがあります」
――昨年は、仙台サポーターにとってもあすかさんのYouTubeは大きな楽しみとなっていましたよ。
「嬉しいです!まさか、そういう風になるとは思わなくて、自分が楽しくて作っていた動画だったので、こんなにも『嬉しい』『ありがとう!』とか、反響があるとは思わなかったんです。自分で楽しんでいるだけなのに、こんなに感謝されるとは……。今まで、芸人としてやってきましたが、過去にいろいろな番組に出たりした中でも、去年のサポーターさんの反応が一番嬉しかったです。テレビに出ていた時よりも、やり甲斐がありました。自分が表現する面で、反応を頂けるということが嬉しかったですね」
――反響の大きさは手応えにつながりますよね。
「そうですね。反応を頂けると、欲が出てきて『もっとこうしよう』と考えたりします。すると30分くらいの動画になっていたりします。最初は10分弱位だったんですが(笑)」
――ベガルタ仙台の広報カメラチームも全く同じことをおっしゃっていました(笑)。つい長くなると……。
「わかります。私も『広報カメラさんのYouTubeを見たい。長い動画、嬉しい!』という気持ちになっていたので、もしかしたら、私の動画を楽しみにしてくれている人がいるならば、ちょっと長くしても良いんじゃないかと思いました。広報カメラさんの影響もあります」
――どちらの映像も仙台サポーターにとっては欠かせない試合後の楽しみとなっています。
「嬉しいです。ベガルタサポーターさんは素直に表現してくれますよね。本当に。『こういうところが良かった』『ここが好き』と具体的に感想を伝えてくれるんです。そういう反応も、おもいきり自分を表現できるきっかけになっています」
――クラブの文化も良く勉強していますよね。チームカラーの「ベガルタゴールド」のことやチャントの歌詞など、理解していないと動画を撮ったり、テロップをつけることも難しいですよね。
「それ、全部サポーターさんから教えてもらったんです(笑)。一番最初に、チームカラーを“黄色”って言ったら、コメント欄に50件くらい“ベガルタゴールド!”って書いて頂いて……教えてもらいました。学ばせてもらっています」

野生児だった子ども時代。父は近所の「名物おじさん」
――あすかさんはどんな子ども時代を過ごしたのですか?……



Profile
村林 いづみ
フリーアナウンサー、ライター。2007年よりスカパー!やDAZNでベガルタ仙台を中心に試合中継のピッチリポーターを務める。ベガルタ仙台の節目にはだいたいピッチサイドで涙ぐみ、祝杯と勝利のヒーローインタビューを何よりも楽しみに生きる。かつてスカパー!で好評を博した「ベガッ太さんとの夫婦漫才」をどこかで復活させたいと画策している。