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新シーズン開幕に向け、ラ・リーガが8つの特別ルールを制定

2020.09.11

 9月12日(ラ・リーガの予定では11日だったが、連盟が金曜開催に反対したため土曜に延期となった)に開幕するリーガに合わせて、コロナ禍での特別措置が発表された。

代替スタジアムの用意も必要

 1つ目は、5人交代制と23人ベンチ入りの維持。6月のリーガ再開時に実施されたこの制度は、そのまま今季も採用されるようになった。交代回数はハーフタイムを含まず3回までというのも同じだ。

 2つ目は、代替スタジアムの用意。コロナ蔓延でスタジアムあるいはその地方へのアクセスが不可能になった場合に備え、各クラブは9月18日までに代替スタジアムを用意しなければならない。

 条件は、プロ用の設備が整っていることと、本拠地とは他の州にあること。例えば、セビージャであれば所属するアンダルシア州内には代替スタジアムを持つことができないので、グラナダにスタジアムを借りる、というのはアウトとなる。

 3つ目は、1部リーグのクラブに許されるコロナ感染拡大による試合の延期は1回まで、チーム数が多い2部は2回まで。それぞれ第30節、第34節までに代替開催しなければならず、これを守れない場合は0-3で違反チームの負け。両チーム違反の場合はともに0-3で負けとなる。

 4つ目は、試合開催に必要なトップ登録選手の最低人数は、通常は7人だがコロナ禍が理由の場合は5人。試合開催の最低人数(トップと下部組織登録の合計)は13人。

 5つ目は、試合延期の条件。延期できるのは以下の3つの場合となる。
・選手の人数が13人に達しない場合
・保健当局が遠征を禁止した場合
・同じく、スタジアムの利用を禁止した場合。ただし、練習場へのアクセスの禁止は、試合延期の理由にはできない。

 6つ目は、監督が感染した場合はライセンスを持っているクラブ職員が代理できる。期間は感染防止に必要なだけ。

 7つ目は、チームのスタジアム入りはキックオフの90分前である必要はなく、45分前から50分前で十分。

 8つ目は、通常の昇格プレーオフ(4チーム参加のホーム&アウェイ)が行えない場合は、4チームが一堂に会してのトーナメント、あるいはホーム&アウェイではなく中立地での一発勝負とする。

 以上、すべては感染の状況によって変更の可能性もあるとされる。

開催延期は出てしまうのか

 こう見ていくと、プロトコルの3つ目、延期のペナルティが問題となりそうだ。要は、ペナルティを科されたくなかったら選手の健康管理に気を付けろ、ということだろうが、クラブのせいではなく所属地域で感染拡大した場合も連帯責任ということなのか?

 再感染が拡大している大都市のマドリッド、バルセロナ、ビルバオは要注意である。

 リーガ再開後は11節を消化する間に延期が1試合(デポルティーボ対フェンラブラーダ)出た。1部が38節、2部が42節であれば、3試合から4試合は延期が発生する計算となる。

 それが1クラブに集中する可能性が小さいのは確かだが、あの時は感染収束期で、今は感染拡大期である……。


Photo: Getty Images

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新型コロナウイルス

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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