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ベネズエラ代表に走った激震。ドゥダメル監督が新年早々に辞任

2020.01.08

 ラファエル・ドゥダメルがベネズエラ代表監督を辞任したというニュースは、南米サッカー界における2020年最初のサプライズとなった。同監督のチームは昨年11月に日本代表とも親善試合を戦ったばかりであり、日本のサッカーファンにとっても意外な展開だったのではないだろうか。

1月2日、自身のSNSで辞任を発表

 ドゥダメルがベネズエラサッカー連盟に辞表を提出したのは1月2日の午前中とされているが、同国の一部のメディア関係者によると、辞任の噂は元日中に浮上していた。そして2日の昼過ぎ、連盟の公式声明を待たずにドゥダメル本人が自身のSNSアカウントで辞任とその理由などを綴った文書を公表。W杯予選の開始を3カ月後に控えた時点での辞任には、ベネズエラ代表選手を含む関係者たちも驚いたという。

 だが、辞めたタイミングこそサプライズとなったものの、ドゥダメルの辞任そのものがまったくの想定外だったわけではない。ドゥダメルはこれまでにも連盟の幹部と意見が合わずに対立したことが何度もあったが、昨年は特にヘスス・ベラルディネリ副会長との関係が悪化していた。

 まず、3月にスペインでアルゼンチン代表と親善試合を行った際、チームがベネズエラの反政府派指導者によって任命された在スペイン・ベネズエラ大使の表敬訪問を迎え入れたことで政府の怒りを買い、その責任を追及されたドゥダメルは「私の去就は連盟の判断に任せる」という声明を発表。そして、国内でニコラス・マドゥロ大統領が仕切る政府と、それを「独裁」と訴える反政府派の激しい対立が続く中、事あるごとに代表チームが政治的な問題に巻き込まれる状況に対しても、堂々と不満を述べていた。

連盟との関係は以前から悪化していた

 さらに9月には、翌月の対ボリビア代表戦の開催について、代表チームがコロンビア代表と試合をしている真っ最中に連盟がメディアに公表。チーム関係者に知らされる前に中継番組内で報じられたことで、ドゥダメルは「誠実さに欠ける」と憤慨し、監督に同意する選手たちがコロンビア戦後のミックスゾーンでメディアを無視して立ち去るという事態に。ドゥダメルと連盟側の関係がすでに冷え切っていることは明らかだった。

 辞任の意を告げる文書には、はっきり「代表チームが必要としているサポートを連盟から得られることができなかった」と書かれている。

ドゥダメルがベネズエラ代表監督に就任したのは2016年だが、2012年にU-17代表を任された時から2022年W杯への出場を目標に掲げ、2015年にU-20代表監督になった時点で同国にとってのW杯初出場をカタール大会で実現させるためのプロジェクトを進めてきた。その結果、2017年U-20W杯では準優勝という快挙を成し遂げ、A代表も着実にレベルを向上させていただけに、W杯予選を前にしてドゥダメル監督が去ったことを嘆く声は少なくない。

 ちなみに、ドゥダメルは1月6日にブラジルのアトレティコ・ミネイロの監督に就任。ベネズエラ代表監督の後任はまだ決まっていない。


Photo: Getty Images

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W杯ベネズエラ監督辞任

Profile

Chizuru de Garcia

89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。