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さらば愛しき長身ストライカー。笑顔の伝道師、クラウチが引退

2019.07.17

“あのクラウチ”について知らなかったこと

 今月12日に、惜しまれながらもバーンリーで現役引退を表明した元イングランド代表FWピーター・クラウチ(38歳)は、ピッチ外で面白い活動をする選手としても有名だった。

 2年前には期間限定でラジオのDJを務めたし、最近は『BBC』で「あのピーター・クラウチのポッドキャスト」も定期的に配信している。先月は、その公開収録として“クラウチフェスト”なる音楽&トークショーのイベントまで開き、リアム・ギャラガーや『チャンピオンズリーグ・アンセム』の作曲家を招いて3,000人の観客を喜ばせた。

プレミアリーグ通算108ゴールを挙げたクラウチが38歳で現役引退

 そんなクラウチについて、BBCが彼のポッドキャストをまとめて「クラウチについて知らないであろう10のこと」という記事を掲載していたので紹介したい。

 まず、クラウチは以前、ヘンリー王子にからかわれた経験があるのだという。クラウチの奥さんは、フットボール界随一の美貌を持つモデルのアビー・クランシーさんだ。そのため、イングランド代表の控え室で、ヘンリー王子から突然こんなことを言われたという。「クラウチー! どうやってアビーをモノにしたんだ?」と。クラウチが呆気に取られていると、ヘンリー王子は爆笑しながらその場を立ち去ったそうだ。

多くのクラブを渡り歩いたクラウチ。ユース時代を過ごしたトッテナムでは09〜11年までプレー

 さらに、チェルシー・ファンだった子供の頃のエピソードも紹介されている。クラウチは飼っていたウサギにチェルシーの英雄の名前を付けていたという。それがクラブ歴代3位のゴール数を誇る「ケリー・ディクソン」の名前である。しかし、「他に飼っていたウサギを攻撃し始めた」ので、泣く泣く“名ストライカー”を手放すことになったという。

 それから、元ドイツ代表FWオリバー・ビアホフを発掘した人物こそクラウチだ、というエピソードも。若い頃に『Championship Manager』というクラブ育成型シミュレーションゲームをやっていたときに、クラウチはゲーム上でビアホフの才能にいち早く気付いたという。「彼はウディネーゼに所属しており、まだ有名じゃなかった。僕がその選手を(ゲーム上で)獲得して一躍有名にさせたのさ!」とクラウチ。「僕がビアホフをスカウトしたと自負している」と豪語したとか。

リバプール時代はいくつも印象に残るスーパーゴールを決めた

 そのほかにも、彼はポッドキャストで色々なエピソードを明かしている。たとえば2006年ワールドカップ期間中には、合宿地でデイビッド・ベッカムの当時7歳の息子、ブルックリンくんを卓球で滅多打ちにしたとか。2011年の移籍市場では、自宅でニュース番組を見ていたら「自分がヘリコプターに乗ってストークへ飛んだ」と報じられたこともあったという。さらに防犯には人一倍うるさいようで、ファンから求められるサインと銀行の署名は区別しているとか……。

いつも気さくなナイスガイ。多くのファンに愛される存在だった

 ときに馬鹿にされることもあったが、そういうときでも一緒に笑ってしまう気さくな男。それがクラウチだった。彼のポッドキャストの番組でMCを務めるBBCの記者は、同選手の引退についてこう綴っている。

「愛するスポーツをしながら、いつも楽しみを見出そうとする。“ファンと同じだった”」


Photos: Getty Images

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ピーター・クラウチ

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。