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ドイツ復権を目指し、刷新されたコーチングライセンス取得コース

2019.06.02

プロ用のコーチングライセンスのコース内容が刷新

 今年からDFBアカデミー主導になり、内容も刷新される『フースバル・レーラー(“サッカーの教師”の意味。欧州の男子プロサッカー界の監督用コーチングライセンス)』が6月から行われる。ドイツサッカー連盟からのダイレクトメールによるプレスリリース内で、その骨子が発表された。

現代の監督業に最適化

 以前、ドイツ代表監督ヨアヒム・レーヴとオリバー・ビアホフマネージャーの話をまとめた記事にあるように、このDFBアカデミーは最新技術を現場に活かすためのラボとして設立された機関だ。

 「フースバル・レーラー」の資格取得コースの運営がこのDFBアカデミーに移管されたことで、内容もよりデジタル化を全面に活用した実践的なものになるという。DFBアカデミー所長のトビアス・ハウプト氏はこう話す。

「フースバル・レーラー取得コースのコンセプトのアカデミーによる最適化は、ひとつの明確なスローガンのもとに行われます。『講義室から出て、実践に参加せよ』というものです。これからコースに参加するコーチたちは、新しく獲得した知識を、自クラブで活動する現場ですぐに活かせるように時間的な余裕を与えるつもりです。

 学習は部分的には場所にとらわれず、デジタルで進められることで可能になります。そして、現代の監督の役割に適した能力を身につけることも求められます。現在、サッカーの監督は『監督兼マネージャー』であることが求められています。リーダーとしてチームを率い、選手やスタッフといった人々を感激させられなければなりません」

参加者の多様性には理念が反映されている

フースバル・レーラー取得コースには元ドイツ代表DFメッツェルダー(中央)らが参加

 このコースの責任者であるダニエル・ニーツコフスキ氏は、参加するコーチたちの多様性を強調する。「セミプロリーグ、エリート育成機関、そして各サッカー連盟から送られてきた指導者たちは、とても興味深い人々がミックスされています。この多様性は、これから一緒にコースを進めていく上で、有意義なものとなるでしょう」と話すニーツコフスキ氏は、さらにデジタル化によってこれまでと異なる点も解説した。

「この多様性は、我々の方向性に見事に合致しています。DFBアカデミーでは、これまでに比べて、さらに各個人に合わせて監督を養成したいと思っているからです。ここに参加する指導者たちは、経験の種類も違えば、目指す目的も異なるからです」

 参加者には、クリストフ・メッツェルダーのような元ドイツ代表選手もいれば、女性指導者、そしてCPサッカー(脳性麻痺サッカー)ドイツ代表監督コニー・フランク・フリッチュのような人も参加している。選手としてU-17代表だったフリッチュ監督は、交通事故の後遺症で右半身に障害を持ったため、CPサッカーに転向し、現在はドイツ代表監督を努めている。

 ステータスにこだわることなく、純粋に指導者としての実績と今後のポテンシャルを基準に選抜された参加者たちには、DFBアカデミーの理念が反映されている。公式サイトでは、今後の活動もおそらくレポートされるはずだ。活動の様子を定期的に追いかけたい。

Photos: Getty Images

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Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。