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日本人選手は史上最多の7人。シントトロイデンの「今」に注目する

2021.09.23

 『DMM』が経営権を獲得してから今季で4年目となるシントトロイデン(以下STVV)。サガン鳥栖から五輪代表FW林大地、アラベスからFW原大智が加わり、史上最多となる7人の日本人選手を擁している。第8節終了時点でのSTVVの今をクロースアップする。

シュミット・ダニエルが堅守に貢献

 昨シーズンは残留争いに苦しみ、なんとか15位で終了したSTVV。途中就任で残留に繋げたベルギー人のペーテル・マース監督がベールスホットへと去り、新監督としてドイツ人のベルント・ホラーバッハ氏が就任した。ドイツではフェリックス・マガト監督の右腕としてコーチを務めた後、ビュルツブルクの指揮を執り、2018年にはハンブルガーSVを率いた。

 ベルギーでは2019年にムスクロンを1シーズン率い、堅守速攻を武器に11位でシーズンを終了。今シーズンからSTVVを率いることになり、伊藤達哉とはハンブルガーSV以来の再会となった。

 ホラーバッハ監督は、[5-3-2]を主体とする堅守速攻ベースのチーム作りを行っている。ボールポゼッションは40%を切る試合も多いが、開幕から守備が安定。8試合で10失点ながら、クリーンシートは3回を達成している。

 中でも3年目を迎えるシュミット・ダニエルは、開幕から出場し続け、第6節のベルギーリーグのベストイレブンに選出されている。シュミットは「今年はシュートを打たれず、安定している」と充実したシーズンを送っている。

成長著しい橋岡大樹

 五輪代表を経てチームに戻った橋岡大樹は、今シーズンも不動の右WBとして活躍している。第7節のベールスホット戦では、オーストリア代表でリーグ屈指のMFラファエル・ホルツハウザーとマッチアップしたが、ほぼ完封で抑え、積極果敢な攻撃参加も見せてこの試合でのマン・オブ・ザ・マッチに選出された。クロス精度が向上しており、第8節のヘンクとのダービーマッチでは鮮やかなクロスで鈴木優磨のゴールをアシストした。

 3年目を迎える松原后は、開幕戦はスタメンで出場し、格上のヘント相手にアシストを決める活躍を見せた。ニュージーランド代表DFリベラト・カカーチェとのポジション争いでは後手に回っているものの、第6節のセルクル・ブルッヘ戦ではセントラルハーフで途中出場し、退場者を出したチームを運動量で補うプレーで勝利に貢献。本職でないセントラルハーフでの出場にも対応し、新たな可能性を見出している。

FWは日本人4人がポジション争い

 FWは鈴木、伊藤に新加入の林、原の4人がポジションを争っている。大黒柱のイロンベ・ムボヨがヘントに移籍した今、攻撃陣は日本人選手の出来に懸かっている。

 最も存在感を発揮しているのは林だ。第6節でデビューした林は、開始早々の7分にムボヨのパスを受けてベルギーリーグ初ゴールを決めた。第7節ベールスホット戦では決勝点に繋がるドリブル、第8節ヘンク戦はポストプレーでそれぞれゴールに関与している。

 五輪代表でも献身的なポストプレーと守備が光った林だが、STVV加入直後もそれが発揮されている。チーム戦術によって守備重視の戦いを強いられるSTVVにとっては、ボディーバランスの良い林のキープ力が生命線となっている。

 今夏でのマーケットで国外移籍を目指したものの、残留が決定した鈴木は自身のInstagramで出場拒否をしていたことを謝罪し、第6節からスタメンに復帰。ブランクを感じさせないパフォーマンスを見せ、第8節のヘンクとのダービーマッチでは先制点を決めて健在をアピールしている。3年目を迎えた鈴木は得点のみならず、チャンスメークでの貢献も期待される。

 シーズン前のキャンプでの負傷で出遅れた伊藤、アラベスから期限付き移籍した原は、しばらくは途中交代から虎視眈々とポジションを狙うことになるだろう。今季のSTVVは、例年以上に日本人選手の活躍が成績を左右しそうだ。


Photo: Getty Images

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Profile

シェフケンゴ

ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。