新・戦術リストランテ VOL.104
footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!
第104回は、リバプール対マンチェスター・シティでのVAR騒動で感じたことを綴る。状況はアディショナルタイム100分、アウェイのシティが1-2でリード、GKアリソンを上げるパワープレーで無人となったリバプールのゴール方向にボールが出て、ホーランドとソボスライが競争、そして……。
いろいろよくわからないエンディング
第25節リバプールvsシティは1-2でシティの逆転勝ちでした。それにしても終わり方が「え、なにこれ?」という感じ。
アディショナルタイムは7分。そして問題のシーンは100分、3分オーバーしていますがまあいいでしょう。リバプールはGKアリソンも前線に上げての放り込み、シティがクリアして拾ったシェルキがハーフウェイライン手前から無人のゴールへシュートかラストパスかよくわからないキック。これを追うホーランドとソボスライ。
さすがに競走はホーランドが有利、置いていかれそうになったソボスライはホーランドのユニフォームをつかみます。つかんだ位置はまだペナルティエリアの外でした。ボックスへ入る直前にソボスライは手を離します。そして減速したホーランドを追い抜こうとしますが、ここで今度はホーランドがソボスライのシャツを引っ張りました。
結局、ソボスライとホーランドはどちらもボールには追いつけず、シェルキの蹴ったボールがそのままコロコロとゴールイン。その瞬間、笛が鳴りました。試合終了?
主審はゴールを認めたようでした。しかしここでVAR介入。で、判定は覆りましてゴールは取り消し。ソボスライにレッドカード、シティの直接FKで再開という説明を主審がしています。
FKはシェルキがゴール裏観客席に蹴り込み、アリソンがゴールキックを蹴ったところで終了となりました。
整理しますと、ソボスライのファウルに関して主審はアドバンテージを取っています。次にホーランドのファウルは流した。だからゴール判定。しかし、VARが入った結果、ホーランドはファウルしていたのでノーゴールなのですが、そもそもソボスライがシャツをつかんだ段階で得点機会阻止だったと、DOGSO適用なので退場処分であるという結論。
Have you ever seen a match end like this?! 🫨 @LFC @ManCity pic.twitter.com/xpDCeFtDKS
— Premier League (@premierleague) February 8, 2026
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Profile
西部 謙司
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。
