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ゼルビア破竹の公式戦7連勝は“ホンモノ”なのか。好転の要因と、見え隠れする不安要素に迫る

2025.07.22

ゼルビア・チャレンジング・ストーリー 第26回

町田の名を全国へ、そして世界へ轟かせんとビジョンを掲げ邁進するFC町田ゼルビア。10年以上にわたりクラブを追い続け波瀾万丈の道のりを見届けてきた郡司聡が、その挑戦の記録を紡ぐ。

第26回は、序盤戦の苦境から一転、6月以降公式戦7戦全勝と上昇気流に乗ったチームの現状を分析。好転のきっかけとなったチームの変化へ焦点を当てるとともに、まだ盤石とは言い切れない理由にも鋭く切り込む。

 まさに一瞬の“エアポケット”だった。

 直近のJ1第24節東京ヴェルディ戦の63分。林幸多郎からのロングスローのこぼれ球に反応した菊池流帆が「無意識に」右足を振り抜くと、次の瞬間、ゴールネットは揺れていた。「流帆くんだけがボールに反応していた」(林)ゴールシーン。一瞬、時が止まったかのようなシチュエーションを前に、敵将の城福浩監督は「あれだけボールが宙に浮いた中で誰もシュートブロックに行かない甘さがあった」と振り返る。

 虎の子の決勝点は、“ワンチャンス”を仕留めた形。決めた菊池は、“1本中の1本”を仕留めることを強調してきた指揮官の“黒田イズム”を結果に繋げた。

 前回対戦のリベンジを果たした町田はリーグ戦5連勝に加えて、公式戦7連勝を達成。「リーグ戦19連勝」(相馬勇紀)に向けて、破竹の連勝街道を突き進む黒田ゼルビアの実力は、果たしてホンモノなのだろうか。

牽引役となった“和製1トップ2シャドー”

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Profile

郡司 聡

編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、エルゴラッソ編集部を経てフリーに。定点観測チームである浦和レッズとFC町田ゼルビアを中心に取材し、『エルゴラッソ』や『サッカーダイジェスト』などに寄稿。町田を中心としたWebマガジン『ゼルビアTimes』の編集長も務める。著書に『不屈のゼルビア』(スクワッド)。マイフェイバリットチームは1995年から96年途中までのベンゲル・グランパス。

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