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「トップハンドセーブ」に詰まった高い技術。湘南で輝く19歳GK谷晃生を徹底分析

2020.11.02

例年以上に若手GKの起用が増加している2020シーズンのJリーグで、その先駆けとなったのが湘南ベルマーレの谷晃生だ。序盤戦でJ1デビューを飾ると、以降はリーグ戦全試合でフル出場。19歳の若さに見合わぬパフォーマンスで、堂々と正守護神の座を射止めてみせた。そんな成長著しい若者のプレーを、GK研究の専門家レネ・ノリッチ氏に徹底分析してもらった。

 湘南ベルマーレで順調に出場機会を重ねている若手GK、谷晃生。彼を知るきっかけとなったのは、2017年10月に行われたU-17W杯だ。特に決勝トーナメント1回戦では、フィル・フォデン、ハドソン・オドイらを擁するイングランド相手に好守を連発。惜しくもPK戦で敗れたが、安定したシュートストップで90分間を無失点に抑えた大きな才能の存在に気づいたサッカーファンは少なくなかったはずだ。筆者自身も、同大会で彼のプレーを初めて目の当たりにし、「この世代でいち早くJ1で活躍するはず」と大きな期待を抱いたことを覚えている。

U-15から世代別代表に選ばれ続けている谷

 同年の3月には当時所属していたガンバ大阪のU-23でJリーグ初出場を果たしており、翌年にトップチームへと昇格。しかし、第一線では東口順昭という絶対的な守護神が君臨していたことから、J3を主戦場として試合経験を積み続けてきた。そして今季、湘南ベルマーレに期限付き移籍で加入すると、第6節で待望のJ1デビュー。その後も信頼を勝ち得て見事に正GKの座をつかんでいる。今回はトップレベルで大器の片鱗を見せ始めた谷晃生を、「ゴール・ディフェンス」「スペース・ディフェンス」「オフェンス・アクション」という3つの分析フレームワークを用いて、詳細に分析していこう。

「トップハンドセーブ」を支える肩の使い方

 まずはゴール・ディフェンスについて。シュートに対する構え方は、Jリーグデビューを果たした2017シーズンから変化がうかがえる。当時は大股で立ちどしっと構える姿勢だったが、今では手の位置も腰あたりに置いてコンパクトに構えるシーンが増えているのだ。これはJ1のシュートスピードに対応するための変化だろう。

 彼の最大の特徴は、そのセービングの技術にある。190cmの恵まれた体格から繰り出されるシュートストップは、単に長身に頼っているからではなく技術的に優れているポイントがあるからこそ、安定しているのだ。……

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谷晃生

Profile

レネ ノリッチ

1994年生まれ、東京都出身。少年団チームにGKコーチがいたことがきっかけでゴールキーパーをプレーし始める。ゴールキックを敵陣ペナルティエリア内まで蹴り込んでいた経験あり(小6)。2018年頃からゴールキーパーのプレー分析記事をブログやnoteに載せ始める。スタジアムでサッカー観戦する場合、GKのウォーミングアップから見始める。好きな選手はヤン・ゾマー、ニック・ポープ。