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ワールドカップを再び日本へ!FIFAマスター受講中間レポート

2020.04.17

国際的なスポーツ機関で働く人材育成を目的に2000年に開設されたスポーツ学の大学院「FIFAマスター」。過去には宮本恒靖氏が現役引退後に受講したことで話題になった。ここではいったいどのような学びを得られるのか。12人目の日本人FIFAマスター受講者として現在在学中である内田大三氏に入学試験や授業、クラスメイトとのコミュニケーションなどを紹介してもらった。

入学までの経緯

 4年に1度、世界中が夢中になる祭典FIFAワールドカップを仕掛ける側になりたい。日本サッカー協会が掲げる「2050年までにFIFAワールドカップを日本で開催し、日本代表チームはその大会で優勝チームになる」一員になりたい。その実現にはFIFAに近づくことが必要だと考え、現ガンバ大阪監督の宮本恒靖氏も学ばれたFIFAマスターへの入学を決意しました。

 しかし、入学のハードルは高くFIFAマスターの受験資格は4年制大学を卒業し、TOEFL100点以上もしくはIELTS平均7.5以上の英語力を有すること。私はどちらの点数も持っておらず、就労時間が不規則だった当時の仕事柄、予備校に通うことは難しかったので通勤時間や有給休暇を駆使して勉強時間を確保して資格を取得しました。

 10月に募集要項が発表された書類選考ではまず勤務先と大学からの推薦状(英文)が必要です。加えて、500語前後の英作文の課題は9問あり志望動機や国際経験、スポーツ以外の関心事など様々な角度からの自己紹介を求められます。スポーツ界が今後直面する課題を想定し、それを乗り越えるためにFIFAマスターで何を学びたいか、学生時代や社会人としての経験をクラスにどのように還元できるのかなどを問われました。

 2月末に書類選考を突破した旨の連絡を受けた1週間後には最終選考となる電話面接が実施されました。「FIFAマスターに進学した場合はラグビーW杯や東京五輪に携わる機会を失うのではないか」「平均年齢26歳前後のクラスに30代半ばの私は馴染む不安はないのか」「10年も働いているのに大学院への進学をなぜ望むのか」などを聞かれました。事前に英語ネイティブの友人たちが英作文の添削と模擬面接まで協力してくれたおかげで選考は無事合格。年末や正月にも夜遅くまで協力してくれた友人たちや「夢の実現のためならば」と送り出してくれた前職のみなさまと妻には感謝してもし切れません。

オリンピック最大の汚点

 FIFAマスターは11か月の間イングランド、イタリア、スイスの3カ国で学びます。まずはレスターでサッカーを中心とした歴史や社会学。続いてミラノで組織論や会計学。最後のヌーシャテルでは法学を学び、7月中旬にYouTubeでライブ配信される中で研究発表を行い卒業します。

 今年のクラスは私を含めて28カ国から32人で構成されており、男女比は約2:1。授業は大学教授やゲストスピーカーによる講義。そして、企業訪問がおおよそ6:3:1の割合で行われます。……

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Profile

内田 大三

1985年生まれ、横浜市出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、株式会社GAORA入社。番組制作や海外渉外を担当した後、1998年から現地観戦を続けるW杯を日本に再誘致したくFIFAマスターに入学。趣味はスタジアムでビールを飲みながらの試合観戦。