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インフォグラフィックで見る。今夏2強に加わった「1億ユーロ以上の男」を比較

2019.08.09

河野大地のインフォグラフィック企画

2013年夏に当時史上最高額でトッテナムからレアル・マドリーに移籍したギャレス・ベイルが「1億ユーロの男」ともてはやされたのも今は昔。以降、現在に至るまで10件に上る1億ユーロ以上の取引が成立しており、今夏マドリーとバルセロナがそれぞれ獲得したエデン・アザール、アントワーヌ・グリーズマンも新たな「1億ユーロ以上の男」となった。スペインでしのぎを削り合うことになるであろう2人の挑戦を、データ・情報を「可視化」させるインフォグラフィックの達人“GIUBILOMARIO”こと河野大地がプレビューする。

 近年、世界のフットボール界はテクノロジーへの巨額な資金投入の影響で、スカウティングシステムのデータベースに蓄積されるスコアがより高精度となり、選手の評価システムが最適化されコストパフォーマンスの高い選手を見つけやすくなりました。その一方で、ハイバリューな選手の移籍金の高騰はとどまることを知らず、先日、わずか19歳のジョアン・フェリックス獲得にはアトレティコ・マドリーから1億2600万ユーロ(約152億円)が支払われたとされています。

 今回は、高額移籍が飛び交う2019-20シーズン開幕前の移籍市場でもトップクラスの移籍金で、ライバル関係にあるメガクラブにそれぞれ加入した28歳のフォワード2人をピックアップしてインフォグラフィックの作成を行いました。ともに移籍金は1億ユーロ以上、プロのキャリアとしてもお互い3つ目の在籍クラブとなります。

データ参照元:transfermarkt

エデン・アザール(レアル・マドリー)

★レアル・マドリー 歴代移籍金ランキング
1位 ギャレス・ベイル:1億100万ユーロ(約121億円)/2013-14(夏)
2位 エデン・アザール :1億ユーロ(約120億円)/2019-20(夏)
3位 クリスティアーノ・ロナウド:9400万ユーロ(113億円)/2009-10(夏)
4位 ジネディーヌ・ジダン:7750万ユーロ(約93億円)/2001-02(夏)
5位 ハメス・ロドリゲス:7500万ユーロ(約90億円)/2014-15(夏)

 今季、レアル・マドリーは新たに4000万ユーロ以上する5選手(エデン・アザール、ルカ・ヨビッチ、エデル・ミリトン、フェルラン・メンディそしてロドリゴ・ゴエス)とサインしましたが、この超大型補強はチームの編成が大きく変わったちょうど10年前の2009年夏、クリスティアーノ・ロナウド、カカー、カリム・ベンゼマ、シャビ・アロンソそしてラウール・アルビオルらを獲得したシーズンを連想させます。マドリーは昨季、監督が2度変わるなどひたすら迷走を続け、終わってみれば9季ぶりの無冠という屈辱を味わうことに。今季のプレシーズン期間においてもアザールがオーバーウェイト気味の状態でチームに合流したり、7月31日のアウディカップ3位決定戦まで未勝利が続くなど、この立て直し必至なチームをどうマネージメントしていくのか、ジダン監督の手腕が問われるシーズンになりそうです。アザール自身もコンディションさえ整えば、持ち前の飛び抜けた個人能力で違いを見せつけてくれることでしょう。

アントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ)

★バルセロナ 歴代移籍金ランキング
1位 フィリペ・コウチーニョ:1億4500万ユーロ(約175億円)/2017-18(冬)
2位 ウスマン・デンベレ:1億2500万ユーロ(約151億円)/2017-18(夏)
3位 アントワーヌ・グリーズマン:1億2000万ユーロ(約145億円)/2019-20(夏)
4位 ネイマール:8820万ユーロ(約106億円)/2013-14(夏)
5位 ルイス・スアレス:8172万ユーロ(約99億円)/2014-15(夏)

 グリーズマンはこれでネイマール、フィリペ・コウチーニョ、キリアン・ムバッペ、前述したジョアン・フェリックス、ウスマン・デンベレに次いで世界で6番目に高い金額で移籍した選手となりました。ワインで有名なブルゴーニュ地方の、リヨンの北側にある小さな街マコンで生まれたアントワーヌ少年ですが、フランス国内では「小柄で華奢過ぎる」という理由でどのクラブからも拾われず、運良く彼を見つけたスカウトマンによって隣国スペインで才能が花開くことになります。その約15年後にこれだけのビッグディールを生んだこと自体、雲をつかむような話でしょう。移籍時のバルセロナ側の立ち回りをめぐってアトレティコ・マドリーとの間で一悶着があり、立つ鳥跡を濁さずとはなりませんでしたが、新天地ではW杯も制した彼のキャリアにおいていまだ獲得に至っていないタイトル、ビッグイアーを掲げることができるのか。また現在、変革期にあるバルセロナにおいてどのような役割を与えられ、それを遂行できるか否か。今後の動向が注目されます。


Photos: Getty Images

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Profile

河野 大地

宮崎県出身。約10年の広告制作会社勤務ののち、長年趣味で行なっていた映像編集技術・データ分析・インフォグラフィックに関するスキルを買われ、スポーツテック業界へ2018年に転籍。現在は株式会社SPLYZAにて試合映像分析アプリの開発・運用にUI設計&デザイナーとして携わる。「スポーツのデータ分析×クリエイティブの融合」を目指し日々修行中。4児の父。