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悲願へ、正念場を迎えるリバプールの鍵を握るのは誰だ?

2019.03.13

 クリスマスを制する者が、プレミアリーグを制す。過去4シーズン連続で実現しているこの幸運なるジンクスを手にして首位に立ったのはリバプールだった。しかしその後、王者マンチェスター・シティの追撃を受け勝ち点1差の2位に後退。CLとの両立に加え、この10年間で唯一、クリスマス首位からの優勝を逃したのが2013-14のレッズ(そう、ジェラードがスリップしたシーズンだ)であるという、ファンなら忘れていないであろう縁起の問題も頭をよぎる。

 ここからは文字通り総力戦であり、我慢比べだ。ライバルたるペップ・シティは、完成度を鑑みればこの先ほとんど負けないだろう。ユルゲン・クロップのチームは彼らがしばしば陥ってきたシーズン後半戦の“勤続疲労”を回避しつつ、前年王者と同ペースで走り続けなければいけない。そのためには、もちろん3トップの破壊力維持や堅守の持続もそうだが、むしろベストメンバー以外、つまりサブ組がいかに奮闘できるかがカギとなる。

 幸い、シーズン中盤まではチームに「15人程度のコアメンバー」がいる好ましいローテーションが機能してきた。ベストイレブンを挙げたら数に入れないかもしれないが、守備陣ではジョエル・マティプやデヤン・ロブレン、中盤では少し適応に手間取ったが徐々に職人肌の存在感を増してきたファビーニョ、そして前線では第17節マンチェスター・ユナイテッド戦(○3-1)で2ゴールを挙げるなど“4人目”のアタッカーとしてインパクトを残してきたジェルダン・シャキリらが、ピッチに立てばしっかり価値を見せている。間違いなく、層は厚くなった。

 ただ、確実に優勝を手にしたいなら、コアメンバーに加えてさらに2、3人の「望外」が欲しいところ。例えば、9月のクラブ月間MVPに選ばれるなど状態はいいはずのダニエル・スタリッジや、第14節マージーサイドダービー(○1-0)の終了間際に値千金の決勝点をもぎ取ったディボク・オリギ。プレッシングなど組織プレーの面ではレギュラーに見劣りするものの“一発”を持っている彼らのような選手がスーパーサブの立場を受け入れ、来たるべき瞬間にワンプレーでコップを熱狂させるようなドラマが欲しい。

 シーズンを通じた主力でなくとも、のちに振り返って「あの時、あいつがいなければ」と思い出されるようなラッキーボーイが、優勝するチームにはえてして出てくるもの。スタリッジやオリギ、さらに近年はケガの影響でクロップ流の申し子の地位を滑り落ちたアダム・ララーナも含めた“忘れられた男たち”が、語り草になるようなビッグプレーでチームの窮地を救う。リバプールの悲願達成には、そんな瞬間が必要だ。

CLバイエルン戦の前日会見に臨むクロップ監督

Photos: Getty Images, Bongarts/Getty Images

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大谷 駿