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“カタール時代”を彩る七色のパリ・サンジェルマン

2019.02.13

至高のチームをWCCFで再現!私のベストイレブン

昨年で15周年の節目を迎えたWCCF。醍醐味である国やクラブ、時代を超えた自分だけの“ドリームチーム”作りはもちろんのこと、自分が好きな国やクラブの選手を集めて最高のチームを作る“○○縛り”も楽しみ方の一つとして定着している。その長い歴史の間に積み重ねられてきた百花繚乱のカードを使って、一家言あるフットボリスタ執筆陣が選ぶ最高の○○チームを、ここに再現する。

# 13 小川由紀子さんが選ぶ至高のパリ・サンジェルマン

 わずか15ゴールでリーグ得点王になったポルトガル人FWペドロ・パウレタがエースだった頃、2000年代中盤の素朴なパリ・サンジェルマンは嫌いじゃないが、栄えあるベストイレブンということで、19シーズンぶりのリーグ優勝から4連覇と、クラブ史上最も栄光を手にしている2011年以降の“カタール時代”のメンバーを中心に選んだ。

 GKは、正直特に“推しメン”がいなかったので、安定感のあったサルバトーレ・シリグをチョイス。

 DFラインは、チームに絶妙な均衡状態を生み出せる究極のバランサー、マクスウェルが左SB。あくまでエレガントなのに相手を追い詰めるプレッシング、左サイドからの美しいクロスなど、所属した全クラブでトロフィーを勝ち獲っただけのことはある。人格者でもある彼は、ズラタン・イブラヒモビッチら個性の強い選手たちを影でまとめる役割も果たしていた。現在もスポーツディレクターのアシスタントとして、ネイマールの頼れる相談係になっている。

 CBは、自分が敵だったら嫌でしょうがないチアゴ・シウバ。「くそーなんでこんなとこまで詰めてくるんだ!」というほど、彼のカバーリングにはそつがない上に、ボール奪取後の展開も素晴らしい。彼と組ませるのはアルゼンチンの鷹、ガブリエル・エインセだ。個人的に彼は一番好きなタイプのDF。全身からみなぎるガッツやオーラだけで、相手は侵入を怯むのではないかというくらいの”圧”と”熱”があり、スポーツマンシップというものを全身から感じる。実際、彼が加入した2001-02はリーグ最少失点を記録している。

 絶対この選手!という候補がおらず悩んだ右SBは、サイドMFとの連係を考えて思い切り良く上がれてクロスもうまいセルジュ・オーリエに決定。PSGでは素行がイマイチだったが、はまった時の彼のパフォーマンスは影響力絶大だ。

オーナー交代直後の2012年に加入、一大転換期を迎えイブラヒモビッチら大物が次々とクラブに到来する中で、チームのまとめ役となったマクスウェル

ベッカムは“本職”で

 守備的MFは、チアゴ・モッタとマルコ・ベッラッティのお馴染みコンビに任せた。バックラインの一歩手前でスイーパー的な働きができるモッタ、そしてボールキープの鬼ベッラッティはともにビジョンも抜群で、その瞬間で最もゴールに近いアタッカーに効率良くボールが渡るビルドアップを仕掛けてくれる。

 そして右サイドMFは、「半年しかいなかったのに」という批判は承知でデイビッド・ベッカム。理由は、この選手がいることで確実にチーム力が上がるから。そのためには彼を一番生かせるポジションで使う必要があるが、それならやはりマンチェスター・ユナイテッド時代の右サイドMFに勝るものはない。直接FKという極上の飛び道具だけでなく、彼の強みはその運動量にある。「ルックスとFKだけ」などとたびたび過小評価されているが、「速さ」で勝てない分「量」で勝負する彼のゲームへの貢献度は絶大なのだ。SBのオーリエと組ませたことで、オーバーラップからの攻撃展開もかなり有効になる。

体制変更後初タイトルとなった2012-13のリーグ1優勝トロフィーを前に子供たちと写真に収まるベッカム。新生PSGの船出を象徴するシーンの一つだ

 逆サイドには、対照的にドリブルでペネトレーションできるネイマールを配置してバランスを取った。彼がPSGに来てから間近で見ていて実感するのは、いかなる場面でも最もゴールに結びつきやすい方法を瞬時に判断して仕掛けられる彼のサッカー頭脳とセンス、そして、それを可能にできるテクニックの二重奏だ。

 彼らとともにゴールを狙うアタッカーにはイブラとキリアン・ムバッペを配置。2トップというよりは、両方がフリーロールで動く。ムバッペがいることで、カウンターアタックの脅威は何倍も増す。イブラはフランスでもたびたび「守備をしない」と批判されたが、彼の場合はそこに立っているだけで相手DFを警戒させるのだから、下手に守備に加勢してくれるよりよっぽど威力がある。どんな展開でも、時には泥臭くでもゴールを奪う真のゴールゲッターだ。彼と組ませるなら、アシスト力のあるジェレミー・メネズでも良いかもしれない。

2月12日のCLラウンド16マンチェスターU戦では大きな追加点をマークしたムバッペ。PSG悲願のCL制覇にはこの男の活躍が欠かせない

 技巧的なパスワークが秀逸だったハビエル・パストーレも入れたいところだったが、実際に彼がPSGにいた時そうだったように、どのポジションが一番良いのか周囲とのバランス的に難しく、やむなく落選とした。

 全体的に攻撃寄りで、真ん中のスペースが空き過ぎないか少し気になるが、このメンバーでプレーするところを一度見てみたい!と胸躍る、7カ国の雄によるカラフルなイレブンだ。

■『WCCF』 基本情報

商品名:WORLD CLUB Champion Football 2017-2018 Ver.3.0
ジャンル:スポーツカードゲーム
公式サイト:http://www.wccf.jp/

全国のゲームセンター等で絶賛稼働中!


Photos: Getty Images

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WCCFパリ・サンジェルマン

Profile

小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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