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ナビ・ケイタ。クロップが待望した最高クラスの「エンジン」

2018.10.03

軒並み補強が停滞した他の昨季トップ5を尻目に、大物を次々とゲットしたリバプール(4人で約250億円!)。中でも1年前に交渉をまとめたギニア代表MFのナビ・ケイタは注目の的だ。最高クラスのエンジンが組み込まれた新チームから目が離せない。


Naby KEÏTA
ナビ・ケイタ
リバプール MF
1995.2.10(23歳)172cm/64kg GUINEA

 英雄スティーブン・ジェラードから手渡しで受け取った背番号「8」が、大きな期待の証だ。ユルゲン・クロップが待ちに待って、本当に待ち焦がれたMFがようやくアンフィールドにやってきた。

 指揮官は古巣であるブンデスリーガで躍動するナビ・ケイタを、RBライプツィヒ加入1年目の16-17シーズンから注視していた。そして2017年夏に獲得交渉をまとめることができたが、実際にマージーサイドの地を踏むまでには1年も待たなければいけなかった。

 「若くてスキルは十分。安定感があって、狭いスペースでのプレーもいいし、持久力もあるしクイックだ。フィニッシュも、ボックス内へのランもいい。あらゆるものを兼ね備えているんだ」

 デビュー戦となった今夏のプレシーズンマッチの後、うれしそうにこう語るクロップの姿を見ていると、待っただけの価値はありそうだ。指揮官は「6番、8番、10番」ができる選手だと言う。小柄ながらチェルシーのカンテを想起させるボールハントや機動力は有能な6番、確かなスキルで“キーパス”を供給して好機を演出する姿は10番のそれ。だが、最もしっくりくるのは背番号と同じ8番としての顔だ。中盤3センターのインサイドMFに入り、ゲーゲンプレッシングの重要な歯車となるだろう。

 そしてさらに、ナビ・ケイタには偉大なる先輩ジェラードや、バルセロナへと羽ばたいたコウチーニョが担っていた役割をも引き継げるポテンシャルがある。それは守備的MFの枠にとらわれない果敢なドリブル突破や、ボックス外からのミドルに集約される“打開力”だ。これこそ、クロップが彼の獲得を熱望した理由と言えるかもしれない。

 確かに、サラー、マネ、フィルミーノの3トップはカウンターにかけては欧州屈指で、今季はここに“第4の男”としてジェルダン・シャキリも加わった。だが、最強の矛を持っているからこそ、特に格下の相手はガッチリと自陣でブロックを固めてくる。そしてリバプールはしばしば、それを崩し切れずに勝ち点を取りこぼしてきた。

 そんな積年の課題を克服するために、クロップが言うところの「狭いスペースでのプレー」が得意なナビ・ケイタの“個”はカギになり得る。同じくドリブルでの打開が見込めるチェンバレンがケガで長期離脱を強いられていることを考えればなおさらだ。

 ナビ・ケイタをうまく使って、ベタ引きの相手をいかにこじ開けるか。これが打倒マンチェスター・シティ、そして悲願のリーグ制覇に向けたドライブを快適にするエンジンだ。コップが「新たなマスチェラーノ」と期待を寄せるもう1人の新戦力ファビーニョの獲得により、インサイドMFが思い切り良く攻撃参加できる土台も整っている。

 新生リバプールの中盤は、昨季とはまたひと味違う迫力を見せるはずだ。

Photo: Getty Images

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大谷 駿