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「とにかくやり続けることが一番大事」という23歳の覚悟。ヴァンフォーレ甲府・安田虎士朗が身につけてきたプロの世界を生き抜く術

2026.09.03

その金髪以上に際立つピッチ上でのプレーで、サポーターの心を掴んでいく。明治安田J2・J3百年構想リーグでは、チーム唯一のベストイレブンに選出されるなど、もはやその存在はヴァンフォーレ甲府にとって、絶対に欠かせない。中学年代から将来を嘱望されていた安田虎士朗は、シビアなプロの世界で生き抜くため、日々試行錯誤を重ねながら、サッカーと真摯に向き合っている。

 試合に出ることを渇望していた時期を乗り越えて、今はもう次のフェーズへと足を踏み入れている。考えるべきは、ひたすら明確な結果に結び付くようなプレーを繰り返して、チームを勝利に導くパフォーマンスを見せ続けること。青赤のスタンドへ歓喜をもたらすことだ。

 「やっぱり出ているだけじゃ、もうダメなのかなって。しっかりと結果を出して、みんなを引っ張っていかないといけないですし、試合にこれだけ出させてもらっていて、しかも90分間使ってもらっているので、もうチームを勝たせるのが一番の仕事だと思います」

安田虎士朗(右から1番目)

 このシビアなプロの世界で、生き残っていくための術を模索する中で、自身の価値を見出しつつある、23歳の闘えるボランチ。安田虎士朗はJ1昇格を真剣に狙うヴァンフォーレ甲府の熱量に触れ、高いモチベーションを携えて、小瀬のピッチを駆け回っている。

開幕3戦未勝利。いきなり訪れた正念場のホームゲーム

 「雰囲気は凄くピリピリしていましたね。もちろんポジション争いの競争もありますし、この前の天皇杯ではメンバーも変わった中で勝ったわけで、自分もずっと今の立場があるわけではないので、『今日は勝たないとヤバいぞ』という気持ちは、正直ずっとありました」(安田)

 8月に幕を開けた2026/27シーズンの明治安田J2リーグ。甲府は厳しい序盤戦を強いられていた。アウェイで迎えた開幕戦は、サガン鳥栖に0-2で敗れて黒星スタート。ホーム初戦となった第2節のテゲバジャーロ宮崎戦は、相手に4倍近いシュートを放たれながら、ゴールポストにも助けられて、何とか勝点1を獲得したが、続く第3節は再びアウェイに乗り込んでブラウブリッツ秋田と対峙したものの、0-3というスコアで完敗。なかなか勝利が付いてこない。

 だが、秋田戦の4日後に行われた天皇杯2回戦では、北海道コンサドーレ札幌相手にスタメン10人を入れ替えるメンバー構成で挑むと、先制を許すも、結果的には3-1で逆転勝利。チーム内にはポジティブな競争意識が生まれる一方で、安田は強い危機感を覚えていたという。

 中2日という日程で、天皇杯との“連戦”となった第4節の札幌戦。「リーグ戦ではファン・サポーターのみなさんに悔しい想いや苦しい想いをずっとさせてしまったので、今日はもうとにかく勝利を届けるという、その一心で試合に臨むように選手には伝えました」と渋谷洋樹監督も話したホームゲームは、甲府にとって今季を左右するような正念場であったことは間違いない。

 開始3分。500人のサポーターが詰めかけた、赤と黒のアウェイゴール裏が湧き上がる。札幌のゴールキックの流れから、甲府の選手たちの反応は鈍く、隙を見逃さなかったスパチョークが先制ゴール。安田が「試合の入りでああいう失点をして、正直『うわ、またか……』という感じはありました」と話したように、JITリサイクルインクスタジアムのスタンドにも嫌な空気が立ち込める。

スタジアムに広がった青い夜景。ようやく掴んだ白星の感慨

 10分を過ぎると、少しずつ甲府がボールを収める回数も増えていく中で、背番号8のボランチはゲームの流れを見極めていたという。「相手も最初に点を獲って勢いが出ていましたし、少し主導権を握られていたので、まず2失点目は絶対しないというところと、守備時はボランチの1枚が帰っていける状況を作らないといけなかったので、自分がその流れを掴むまでは、状況を見ながら、いつ上がっていこうかと考えていました」。

 自分の中でスイッチを入れたのは、33分のワンプレーだった。遠藤光からセンターサークル付近でボールを受けると、すぐさま浮き球のパスを内藤大和へ送る。ここはチャンスにはつながらなかったが、ベクトルをはっきりと前へ向けたこの一連から、安田は積極的に攻撃へと関わっていく。

Photo: ©2026VFK

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土屋 雅史

1979年8月18日生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社。学生時代からヘビーな視聴者だった「Foot!」ではAD、ディレクター、プロデューサーとすべてを経験。2021年からフリーランスとして活動中。昔は現場、TV中継含めて年間1000試合ぐらい見ていたこともありました。サッカー大好き!

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