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【J2番記者座談会】J1昇格争いを番記者たちが緊急大展望!カギを握るのは激戦必至の“静岡ダービー”、7連勝の千葉、そしてダークホースは?

2023.10.05

今季のJ2も37節を終了し、いよいよ大詰め。首位町田が頭抜けているものの、その下はまさに大混戦。ここでJ1昇格争いの渦中にいるチームの番記者、清水エスパルス番の前島芳雄氏、東京ヴェルディ番の海江田哲朗氏、座談会の進行役として水戸ホーリーホック番の佐藤拓也氏に集まってもらい、緊急座談会を開催した。各番記者によるディープなチーム事情、気になる対戦相手について語り合ってもらった。

座談会出席者

清水エスパルス番 前島芳雄氏
東京ヴェルディ番 海江田哲朗氏
水戸ホーリーホック番 佐藤拓也氏(進行役)
(※座談会は36節終了時点で実施)

37節終了時点

自動昇格争いは千葉も含めて5強

――リーグ最終盤、自動昇格のライバルとして見ているのは、上位4チームでしょうか?

海江田「得失点差が上位4チームと、その下で大きな開きがありますよね。あとは急激に上昇してきた千葉を入れないと」

――町田が抜けてますか?

前島「町田は、エリキが離脱したのは、清水で言うと乾(貴士)が抜けたぐらい痛いと思いますが、それでも大崩れしないのは、やっぱり戦い方のベースがしっかり整っているからかなと思います」

海江田「どこかで崩れて落ちてくればいいなと思うこともありましたが、なかなか落ちてこなかったですね」

前島「堅守のチームという印象でしたが、エリキ不在でも5~6点取ることがあって、やっぱり個の力もありますね」

攻撃の要であるエリキ不在ながらも6ゴールを奪った第36節V・ファーレン長崎戦のハイライト動画

海江田「清水は町田との対戦はどうでしたか?」

前島「逆転勝ちしました。町田が今季2度目に3失点した試合です。前期の対戦では1対2で負けているので、1勝1敗でした」

海江田「東京Vは1分1敗。そこまで力の差を感じたわけではありませんが、バスケス・バイロンの件とかあって(※今夏、東京Vから町田へ移籍した)、すんなり昇格するのは気に食わないなと思うところもありますが、この勝ち点差をひっくり返すのは難しいですね」

――現状の勝ち点差を見ると、町田の自動昇格は濃厚でしょうか?

海江田「唯一まくれるチャンスがあるのは清水だけじゃないですか」

前島「町田は消化試合が1試合少ないんですけど、その対戦相手は前回対戦で負けている秋田。町田としてもやりづらい相手でしょう」

海江田「ちなみに、清水の秋葉忠宏監督は優勝を目標に掲げているのでしょうか?」

前島「そうですね。2位を守ろうという感じではないですね。上を見て戦おうという意識づけをしています。秋葉監督が言っているのはJ1昇格しても、すぐに降格したら意味がないということ。だから、最後までチームのレベルを上げていこうというスタンスでチーム作りを行っています」

清水は急激に失点数が減少

――清水のチームの雰囲気は?

前島「第36節で甲府に勝てなかったのが痛かったですね。甲府は上位に強い。試合前に対戦データを調べたところ、町田、清水、磐田、東京Vの上位4チームとのトータルの戦績で勝ち越しているんですよ。昨年天皇杯で優勝した理由が分かった気がしました」

――秋葉監督の凄さはどういったところでしょうか?

前島「秋葉監督のいいところは選手の特長をうまく活かしていること。自分のスタイルを前面に出すというより、配置とか、使い方とかを変えながら、選手の特長を活かしている。みなさんが分かりやすいのは乾ですね。昨年、清水に来た時はサイドMFとして起用されていたんですけど、トップ下で起用されてからめちゃくちゃ良くなりました。それと、中山克広も秋葉監督になってから能力を発揮するようになりましたし、岸本武流もサイドバックではなく、サイドMFで起用されてから伸び伸びプレーするようになった。本当に選手をうまく使っている。あとは復帰した原輝綺が戻ってきたことが大きい。右サイドバックとしてプレーしていますが、そのまま3バックに変えることができるし、状況に応じてボランチの位置にも入れる。彼が加わったことで、戦術の幅が広がりました」

今季のシーズン途中から清水エスパルスを指揮する秋葉忠宏監督(Photo: Takahiro Fujii)

――秋葉監督は水戸時代から選手の個性を活かすチーム作りを行っていました。その経験が活きているのかもしれませんね。

前島「贔屓目かもしれませんが、よそのチームから見て、一番勝つのが難しいと思われているのが清水なんじゃないかなと思っています」……

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佐藤 拓也

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