190cmのサイズに、すさまじいパワーを秘める鈴木彩艶は、10代の頃から日本を代表するGKになると多くの人が期待している「大器」だ。20歳になった彼に、マンチェスター・ユナイテッドが巨額のオファーを準備していると噂されている。浦和レッズの番記者を務め、GKの技術論に詳しい(かもしれない)ジェイ氏に、プロ3年間の成長を解説してもらおう。
日本時間7月6日の未明、1人の選手が突如(?)移籍マーケットの話題となった。
浦和レッズ所属のGK鈴木彩艶だ。西川周作という高い壁に阻まれ出場機会に恵まれない状況から、これまでも期限付き移籍の噂やそうすべきだという意見はあった。ただ、それが海外クラブとなるとまた話が違ってくる。
そもそも、『弱冠20歳のプロ3年目GK』が出場機会の確保に焦る必要はないと思うのだが、それを許さないだけの大器がこの若者には備わっている。だからこそ、マンチェスター・ユナイテッドというビッグクラブも目をつけていたのだろう。獲得への温度感や交渉の進捗などは続報を待つしかないが、現時点での能力がどのあたりにあるのかを見てみたい。
U-22のドイツ戦で見えた成長と課題
昨季までの2シーズンでJ1リーグ戦に8試合出場しており、一定の実力は証明済みだが、1年目の2021シーズンは粗削りさの方が目立っていた。ただ、昨季から浦和のGKコーチに就任したジョアン・ミレッの指導により、技術面で大きな改善があった。西川周作に先んじられてはしまったが、同僚の牲川歩見、吉田舜も含めて、浦和GKチームは確かな成長を遂げている。
今季、彩艶が最も注目を集めた試合といえば、やはりU-22日本代表でのドイツ戦だろうか。3月25日に行われたこの試合から、いくつかプレーをピックアップしたい。まずは8分10秒あたりからの、2度シュートを防いだシーン。
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ジェイ
1980年生まれ、山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』浦和担当に。footballistaには2018年6月より不定期寄稿。心のクラブはレノファ山口、リーズ・ユナイテッド、アイルランド代表。