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新オーナー誕生が発表されたリヨンは、女子サッカー界のMCO先駆者。名物会長の夢は女子クラブW杯でOL対決

2022.06.25

2022620日、新たにイーグル・フットボール・ホールディングスが筆頭株主となることを発表したリヨン。同社はイングランドのクリスタル・パレスやブラジルのボタフォゴ、ベルギーのRWDモレンベークのオーナーも務めており、マルチクラブ・オーナーシップ(MCO)傘下に収まることとなる。

現オーナーのオラス会長(右)と、新オーナーとなるアメリカ人実業家ジョン・テクスター氏

そのリヨンが、欧州随一の強豪として圧倒的な実績と資金力を誇る女子サッカー部門でいち早くMCO化を進めていたことをご存じだろうか。2020年に、ビジネス面でも最先端を行く女子サッカー先進国アメリカに進出し、「OL」を冠したクラブをワシントン州タコマに誕生させているのだ。男子チームに劣らぬ熱量を女子チームに傾けるオラス会長の野望にスポットライトを当てる。

※『フットボリスタ第87号』掲載記事を一部修正し公開

 女子サッカーのクラブチームで、世界最高峰に立つと言っても過言ではないオランピック・リヨネ・フェミナン(リヨン女子)。2021-22の女子チャンピオンズリーグでは準々決勝でPSGに屈した前シーズンの雪辱を果たし、決勝で国内では無敵を誇ったバルセロナ・フェメニを下してここ8年で7度目の優勝。国内リーグでもやはり2020-21はPSGに奪われたタイトルを奪還して、2006-07からの16シーズンで15度の優勝と絶対的な王座に君臨してきた。アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙は、2010年からの10年間において世界の男女合わせた全チームスポーツの中でタイトル獲得数などから試算した“世界最強軍団”は、リヨンの女子チームであると発表している。

 リヨン女子をそこまで育て上げた立役者は、ジャン・ミシェル・オラス会長だ。

 2004年、リヨン市にあった女子クラブ、FCリヨンの経営が立ち行かなくなると、市長や街の有力者はOLグループ会長の彼に救いを求めた。それが、オラス会長が女子サッカーに携わることになったきっかけだ。会長の側近に聞いた話では、今では欧州カップ戦などで男子チームの試合と日程が重なった場合には、プライベートジェットを飛ばしてまず女子チームの応援に足を運び、それから男子の方へはしごするほど注力しているという。

 女子サッカーに対する彼の意識を変えた、ある出来事があった。リヨンがCLに出始めたばかりの頃、試合前半を終えてロッカールームに戻ってきた選手たちのユニフォームは汗でびしょ濡れで、とても後半そのまま着用できる状態ではなかった。しかし女子チームの備品にはユニフォームの着替え分は用意されておらず、スタッフが総出でハーフタイムの間に手でシャツを絞って乾かす、という涙ぐましい作業を行わなくてはならなかったそうだ。

 それを知ったオラス会長は、結果を求めるにはまず環境整備からだと実感し、女子チームの予算を一から見直したのだった。

1987年からオーナーを務めてきたオラス会長。新オーナー就任後も会長職にとどまることが発表されている

2019年フランスW杯で青写真が現実的に

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ジャン・ミシェル・オラスマルチクラブ・オーナーシップリヨン

Profile

小川 由紀子

1992年より欧州在住。96年から英国でサッカー取材を始め、F1、自転車、バスケなど他競技にも手を染める。99年以来パリに住まうが実は南米贔屓で、リーグ1のラテンアメリカ化を密かに歓迎しつつ、ブラジル音楽とカポエイラのレッスンにまい進中。