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シティはCL16強でウォーカー不在の穴をどう埋めた?ストーンズとライリーの「偽SB」適性を見極める

2022.03.18

ついにベスト8が出そろったチャンピオンズリーグ。優勝候補の一角と目されるマンチェスター・シティはラウンド16に続き、右サイドバックとして不動の地位を築き上げているカイル・ウォーカーが出場停止のまま、準々決勝第1レグを迎える。16強のスポルティング戦ではジョン・ストーンズとコンラッド・イーガン・ライリーがウォーカーの穴を埋めたが、「偽サイドバック」の代役をどこまで務め上げることができていたのか。現地イングランドでシティの試合を視察している学生アナリストの白水優樹氏が分析する。

 現代サッカーにおいて、サイドバック(以下、SB)の役割は多岐にわたります。とはいえ、すべてを1人で遂行することはできないので左右のSBで分担したり、他のポジションの選手と立ち位置を入れ替えて補完するケースがよくあります。

 マンチェスター・シティの場合、今季は左SBを主戦場としているジョアン・カンセロが前線で持ち味を発揮するタイプの選手なので、逆サイドのSBにはバランスを取るために後方でのサポートが求められます。その右SBとしてペップ・グアルディオラ監督に変わらず重宝され続けているのが、的確なサポートで最終ラインや中盤と前線を繋ぎつつ、抜群のスピードでカウンターの芽を摘んでいくカイル・ウォーカーです。しかしCLではグループステージ最終節のRBライプツィヒ戦では、相手選手の足を背後から蹴ってしまい一発退場。暴力行為とみなされ3試合の出場停止が言い渡されたため、準々決勝1stレグまでの欠場が確定しています。

CLグループステージ第6節、RBライプツィヒ戦でレッドカードを提示されたウォーカー

 そこでラウンド16のスポルティング戦では、指揮官による右SBのチョイスに注目が集まりました。結果、起用されたのが1stレグは本職CBのジョン・ストーンズ、2ndレグでは19歳の若手DFコンラッド・イーガン・ライリーです。2戦合計5-0と大勝を収めた中、彼らがウォーカーの代役をどれだけ務められたのかに焦点を当てて分析していきます。

「速さ」の代わりに「高さ」をもたらすストーンズ

 敵地に乗り込んだ1stレグでジョン・ストーンズが任されたのは、ウォーカーが担ってきた役割とほぼ変わりませんでした。[4-3-3]を基本とするシティのビルドアップでは、両SBがともに幅を取ります。これによってスポルティングの敷く[5-4-1]の守備ブロックを広げ、ベルナルド・シルバとデ・ブルイネの両インサイドハーフや偽9番のフィル・フォデンがライン間でボールを引き出していきます。それを警戒して相手のMFのラインが中央を閉じることを優先するのであれば、CBからSBのパスで越えていく二段構えです。

 ファイナルサードまで前進して崩しの局面に移ると、シティではSBの役割における左右差が顕著に表れてきます。左SBのジョアン・カンセロが縦横無尽に攻撃に参加していくため、右SBのストーンズはウォーカーと同様、「偽サイドバック」とも呼ばれる内側に絞る動きで、後方でのボールの循環をサポートしていきます。かつてウォーカー本人は偽サイドバックの仕組みについて、英放送局『Sky Sports』の番組内でこう説明していました。……

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白水 優樹