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数字に表れないチームへの貢献。狭いエリアで基準となれるハフェルツの2つの武器

2021.06.29

3年前のW杯からの復活を期し、死の組と称されたグループを2位で通過。不安もささやかれる中で最初の関門を突破したドイツ代表で、攻撃の牽引役の一人となっているのがカイ・ハフェルツだ。チェルシーを欧州王者へと導いた勢いそのままに大舞台で結果を残している22歳のアタッカーの、数字には表れないストロングポイントに迫る。

 CL決勝マンチェスター・シティ戦で決勝ゴールを挙げたチェルシーのアタッカー、カイ・ハフェルツ。ドイツ代表では7番を背負い、EURO2020のグループステージ3試合で2ゴールを奪いGS突破に貢献した。

 2020年夏に約7200万ポンドの移籍金でチェルシーに加入したハフェルツは、リーグ戦18試合に先発し4ゴール3アシストを記録。数字だけを見ればもの足りなさは否めず、スタッツの上でも突出した部分は少ない。層の厚いチェルシーの前線において頭一つ抜けて存在感を放っているメイソン・マウントほどの活躍もまだ果たせていない。

 ただ、そんな中でも確実に自身のストロングポイントを披露し、2020-21シーズンのチェルシーにおいて最も重要な試合の1つであったCL決勝の舞台でスタメンの座を射止め、期待に応えてみせた。

 アタッカーにとって目に見える「数字」という結果が、自身の存在価値を証明する最もわかりやすい指標であることは間違いない。では、ハフェルツが数字に表れない部分でチームに貢献していた部分とはどこにあったのだろうか? 以下で紐解いていく。

攻撃にリズムを与えるボールキープ力

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EURO2020カイ・ハベルツチェルシードイツ代表

Profile

とんとん

1993年生まれ、長野県在住。愛するクラブはボルシアMG。当時の監督ルシアン・ファブレのサッカーに魅了され戦術の奥深さの虜に。以降は海外の戦術文献を読み漁り知見を広げ、Twitter( @sabaku1132 )でアウトプット。最近開設した戦術分析ブログ~鳥の眼~では、ブンデスリーガや戦術的に強い特徴を持つチームを中心にマッチレビューや組織分析を行う、戦術分析ブロガー。

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