
現代サッカーにおいても、もはや不可欠となったAIの存在。各クラブが競うように投資し独自の活用法を探る中、ドイツサッカー連盟(DFB)もまた新たな取り組みをスタートさせた。今回はその核となる人物パスカル・バウアーと、彼が押し進めるAI活用法を紹介したい。
サッカーにおけるAI(人工知能)の利用は、リバプール、バルセロナ、ベンフィカ、レスターなど特定のクラブがリードしてきた。
たとえばリバプールは元物理学者のイアン・グラハム率いるリサーチ部門に、天体物理学の博士号を持つワスケットや金融数学の修士号を持つスティーレ、元素粒子物理学者のスピアマンなど理系人材を集結。独自のアルゴリズムを開発し、トラッキングデータから各選手のゴールへの貢献度を計算できるようになった。
バルセロナはカタルーニャ工科大学でAIの博士号を取ったハビエル・フェルナンデスをスポーツアナリティクス責任者に抜擢。NBAのサクラメント・キングスの専門家と共同で、リバプールに似たアルゴリズムを開発している。
ベンフィカはマイクロソフトでプログラムマネージャーだったスダルシャン・ゴパラデシカンをスポーツデータサイエンス責任者に、レスターは認知神経科学の博士号を持つマルデン・サルマツをフットボールアナリティクス責任者に抜擢した。……
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Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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