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徳島ヴォルティスのサッカーに見られる“ポジショナルプレーの未来”

2020.12.06

堂々とした戦いぶりでJ1昇格を勝ち獲った徳島ヴォルティス。智将リカルド・ロドリゲス監督率いるチームの戦術的特徴について、らいかーると氏に分析してもらった。

 11人が最適な立ち位置を取ることによって、自分たちの狙うエリアにボールを有利に運ぶことが現代のスタンダードなボール保持の方法となっている。全員の立ち位置には、そのエリアにいる意味と役割がある。ポジションや人によって役割が決められるのではなく、エリアによって役割が決まることが現代サッカーの特徴とも言えるだろう。

 静的な立ち位置で起こり得る定位置攻撃に変化を加えるために、動的な立ち位置、つまり、ローテーション攻撃がボール保持攻撃のさらなる策として成り立っている。いつも同じ場所から同じ人が仕掛けるよりも、同じ場所から違う人が仕掛けてくる方が個性による差が生まれ、攻撃に変化が加わるからだ。現代サッカーの進化の順序を見てみると、最適な立ち位置からの動的な変化、つまりポジションチェンジによって、ボール保持に変化を加えるという流れになっている。

 どのエリアに立つかが重要になっているのが現代のサッカーの出発点と言えるだろう。そのために「隣り合うポジションは同じレーンに立たない」や「チームの中心選手の移動に応じて全体が立ち位置を調整する」など、各チームは独自の立ち位置のルールを運用し、試合を進めていっている。

 徳島ヴォルティスのサッカーはボール保持を基軸としている。ボールを保持できなくても試合を形にできるくらいチームとしての完成度が高いが、このチームの基本はボール保持だ。そして、現代の基準と照らし合わせてみても、徳島ヴォルティスのボール保持の質は高い。それどころか、その独自性は非常に興味深いものになっている。……

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ポジショナルプレーリカルド・ロドリゲス徳島ヴォルティス戦術

Profile

らいかーると

昭和生まれ平成育ち。サッカー指導者にもかかわらず、様々な媒体で記事を寄稿するようになってしまった。ただ、書くことは非常に勉強になるので、他の指導者も参加してくれないかなと心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』