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高嶺朋樹がデータで示す大卒Jリーガーのメリットとは? 筑波大学蹴球部・小井土監督と読み解く卒業研究(後編)

2020.11.27

川崎フロンターレ三笘薫の大ブレイクに注目が集まる2020シーズンだが、もう1人大卒1年目ながらJ1でいきなり活躍を見せている筑波大学卒業生がいる。北海道コンサドーレ札幌の中盤で睨みを利かせる高嶺朋樹だ。在学中に所属していた「サッカーコーチング論研究室」で、彼は何を研究していたのか。実際に卒業研究を指導した同大学蹴球部の小井土正亮監督に、その内容を詳しく聞いた。

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「見せ方」まで考えるのが卒業研究

――三笘(薫/川崎フロンターレ)選手はGoProとアンケートを使って研究していたというお話でしたが、どの学生も自分で検証方法まで考えているのでしょうか?

 「もちろんです。学生が考えたテーマに対して、『アンケートがいいんじゃない?』『インタビューがいいんじゃない?』『実験がいいんじゃない?』と提案はしますが、最終的に決めるのは学生ですね。三笘のように自分で現場のデータを取らなければいけない研究では、テーマによっては半年以上かかることもあるので、計画を立てて順番に計測していかなければならない。でもプロを研究対象とする場合は、10年以上前はすべての試合を見て手計算でデータを集めなければいけませんでしたが、今はインターネット上で簡単にデータを集められるようになっていますね。例えばW杯なら、FIFAの公式サイトを見れば、誰がいつどこでシュートを打っていたのかわかる。でも大切なのは、そこからどうやって分析していくか。繰り返しになりますが、他の人が気づいていない何かを見つけないと研究じゃないので」

――データの扱い方を学ぶトレーニングにもなりそうですね。

 「例えばシュート数10本に対して枠内シュート7本という選手のデータがあると、学生はデータを見て『この選手はシュートがうまい!』と言いますが、その7本はペナルティエリア内で打ったシュートなのか、ペナルティエリア外で打ったシュートなのか。さらにシュートの前にどのようなプレーをしていたのか。それぞれによって数字の意味はまったく違ってきますよね。そういうデータの怖さを知るのも卒業研究の役割です。学生にとっては数字へのリテラシーを鍛えるいいトレーニングになっていますね」

――データの見せ方も学生が自分で考えるのでしょうか?

 「もちろん、エクセルで表やグラフを作るのも学生です。例えば去年の卒業生だと、高嶺(朋樹/北海道コンサドーレ札幌)は円グラフや棒グラフを活用しながら、わかりやすく研究結果をまとめていましたね。社会に出ても相手に伝わりやすい資料を作成できるように、どの学生も院生や後輩、僕ら教員の知恵も借りながら、自分で表現方法を考えています」

高嶺は「進路選択」をデータ検証

――お話に出てきた高嶺選手は、どのような卒業研究をされていたのでしょうか?

 「高嶺は小学生からコンサドーレ札幌のユースチームに所属していましたが、高校生でトップチーム昇格が叶わず筑波大学に進学してきたんですね。その時の進路選択で迷いに迷ったという彼自身の経験から、『高校からプロに進んだ選手、大学からプロに進んだ選手のキャリアを調べてみたい』と。そうした動機で、『プロサッカー選手を目指す高校生、大学生に向けた進路決定に関する提言研究』という卒業研究を行っていました」

――どのように進路選択を検証していったのでしょうか?……

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小井土正亮筑波大学高嶺朋樹

Profile

足立 真俊

1996年生まれ。米ウィスコンシン大学でコミュニケーション学を専攻。卒業後は外資系OTAで働く傍ら、『フットボリスタ』を中心としたサッカーメディアで執筆・翻訳・編集経験を積む。2019年5月より同誌編集部の一員に。プロフィール写真は本人。Twitter:@fantaglandista

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