“プランD”失敗からスペインは何を学ぶか。「0-0→4-0」でハッキリ見えたW杯でやるべきこと
サッカーを笑え #69
6月15日の初戦をスコアレスドロー、21日の2戦目を快勝で終え、グループH首位で26日(日本時間27日9時キックオフ)に最終節ウルグアイ戦を迎えるスペイン。EURO2024王者として4大会ぶり2度目のW杯優勝を目指すチームの現状を、あまりに対照的だった序盤2試合から分析する。
どこまでガビが好きなの?デ・ラ・フエンテ監督…
対カーボベルデに驚きの引き分け(0‐0)、対サウジアラビアに予想通りの大勝(4‐0)、というのが証明したのは「サプライズを用意してもネガティブなサプライズにしかならない」ということだ。このチームのベースには2024年のEUROで優勝し2025年のネーションズリーグで準優勝したプランAがあり、その後のW杯予選の過程で、ニコ・ウィリアムスやラミン・ヤマルが負傷したり不調に陥ったことでプランBとプランCが生まれた。
■それぞれのプランの前3人の構成
プランA:
ミケル・オヤルサバル
ニコ・ウィリアムス ラミン・ヤマル
プランB:
ミケル・オヤルサバル
アレックス・バエナ ラミン・ヤマル
プランC:
ミケル・オヤルサバル
アレックス・バエナ フェラン・トーレス
EURO優勝とネーションズリーグ準優勝で確立済みだったプランA。2025‐26シーズンに入りW杯予選が始まるとまずニコが負傷してプランBが生まれ、その後ヤマルも負傷しプランCが生まれた。優先順位はA>B>Cだが、ニコがシーズン終了まで本調子を取り戻せなかった一方で、アレックス・バエナがアトレティコ・マドリーでは見せることができなかったハイレベルのプレーを披露、チームも順調に予選を1位抜けしたことで、A≧B>Cくらいにはなっていた、というのが大会前の状況だった。
ところが、カーボベルデ戦ではルイス・デ・ラ・フエンテ監督が驚きのプランDを捻り出してきた。
プランD:
ミケル・オヤルサバル
ガビ フェラン・トーレス
ニコもヤマルもグループ練習に参加したばかりなので、プランCでくるだろうというのが私も含めメディアの全会一致の見解だったが……。このプランD、実は最後の親善試合、対ペルー(6月8日)で30分間ほど試している。プランCでスタートし60分過ぎにバエナに代わってガビが入った。まさかあれが本番の予行演習だとは思わなかった。

最初に思ったのは「どこまでガビが好きなの?、監督」ということだった。
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。
