REGULAR

カラバオ杯決勝でアーセナルを沈黙させたシティ流[4-2-4]。「捕まえない守備」の完成形

2026.03.25

新・戦術リストランテ VOL.110

footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!

第110回は、カラバオ・カップ決勝のマンチェスター・シティ対アーセナル。シティが見せた[4-2-4]ハイブロックによる“捕まえない守備”と、“四者四様”の個が生んだ包囲戦を読み解く。

絶妙な[4-2-4]のハイブロック

 マンチェスター・シティがカラバオ・カップ最多の5回目の優勝でした。プレミアリーグでも王座を争うアーセナルに2-0。内容も圧巻でしたね。

 ちなみに5回優勝は命名権がカラバオになってからで、EFL(English Football League Cup)全体としてはリバプールの10回が最多です(シティは9回)。リーグカップは命名権を得た会社の名前が何度か変わっていて、最初はミルク・カップでした。生乳生産組織のミルク・ボードだからミルク・カップ。それからリトルウッズ(小売り、サッカー賭博業)、ランブロウズ(家電量販店)、コカ・コーラ(スカッと爽やか!)、ワージントン(ビール)、カーリング(ビール)、キャピタル・ワン(金融)、カラバオ(エナジードリンク)。命名権者の業種にちょっと時の流れを感じます。

 シティの主な勝因は2つあったと思います。[4-2-4]でのプレッシング、個々のキープ力です。

 [4-2-4]のハイプレス、というか前方にセットした守備ブロックが絶妙でした(下図)。

前線4人が作る“パス禁止エリア”

 ドク、ホーランド、シェルキ、セメンヨのラインをアーセナルは越えられなかったですね。この4人の壁の背後にライス、スビメンディのボランチ2人がフリーで待機しているのですがそこへつなげない。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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