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高井幸大がボルシアMGで直面する欧州トップレベルへの壁。「課題はハッキリしている」

2026.03.06

遣欧のフライベリューフリッヒ#23

「欧州へ行ってきます」。Jリーグの番記者としてキャリアをスタートさせ、日本代表を追いかけて世界を転戦してきた林遼平記者(※林陵平さんとは別人)はカタールW杯を経て一念発起。「百聞は一見にしかず」とドイツへの移住を志した。この連載ではそんな林記者の現地からの情報満載でお届けする。

今回は林記者が川崎フロンターレ時代から追いかけ続けているボルシアMGのDF高井幸大にフォーカスする。一見すると出場機会も得て順風満帆に見える高井の状況だが、林記者も、そして高井本人も現状を楽観してはいない。

日本代表期待のCBが直面する壁

 今冬から高井幸大は、トッテナムで出場機会を得ることができなかった空白の半年間を経て、ドイツ・ボルシアMGへと渡った。

 日本代表の次世代を担うCBといえども新天地でさっそくスタメン確保とはいかなかったものの、出場機会を重ねた。大崩れしないプレーや落ち着いた立ち居振る舞いに、順調なステップアップを踏んでいると感じているサポーターも多いかもしれない。

 ただ、それほど楽観的なものではない。

 ブンデスリーガに足を踏み入れた日本人選手にとって、ピッチ内で最初にぶち当たる壁は、その”強度”だ。今シーズン、デンマークからフライブルクへと加入した鈴木唯人、今冬の移籍市場でオランダのNECからボルフスブルクに加入した塩貝健人らも”強度”の壁にぶつかった。

 そして、高井もまた、日本とは異なる強度に苦戦している。

高井が克服すべき課題とは

 192cmの恵まれた体躯と川崎フロンターレ仕込みの技術力の高さがブンデスリーガの舞台でも通用することは、ボルシアMGの指揮官であるオイゲン・ポランスキ監督を含めて現地メディアから聞こえてくる称賛の言葉の通りだ。

 だが、欧州のトップレベルともなれば、それだけで全体評価が決まるわけではない。運動量、スピード、切り替えといった点は、まだまだ見ていて危うさを感じるシーンも少なくない。

 最も顕著な例として挙げられるのは、ブンデスリーガ第22節のフランクフルト戦で犯してしまった痛恨のミスだ。

 この試合、日本のSNS上では別の場面が注目を集めていた。セットプレーの流れでボールを受けた高井がペナルティエリア内でルーレットを披露し、相手をかわしてシュートを打ったシーンだ。華麗な足技を見せつけた場面であり、「そんなこともできるのか」とサッカーファンを唸らせたプレーだった。

 そして問題となったのは、その後のシーンだ。

……

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Profile

林 遼平

1987年生まれ、埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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