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交錯する二つの神話。「太陽の埃っぽいところ」はレバークーゼンの無敗伝説を打ち砕くのか

2024.05.01

遣欧のフライベリューフリッヒ#2

「欧州へ行ってきます」。Jリーグの番記者としてキャリアをスタートさせ、日本代表を追いかけて世界を転戦してきた林遼平記者(※林陵平さんとは別人)はカタールW杯を経て一念発起。「百聞は一見にしかず」とドイツへの移住を志した。連載第2回で取り上げるのは、今をときめくレバークーゼン……ではなく、それを止めるかもしれない、“あの”チームについてだ。

レバークーゼンという生ける伝説

 笑ってしまうくらい神がかり的な勝負強さを見せているチームがドイツにある。

 ブンデスリーガ第30節・ドルトムント戦、第31節・シュツットガルト戦ともに後半アディショナルタイムのほぼラストプレーで同点弾を決め、公式戦の無敗記録を「46」試合に伸ばしたレバークーゼンだ。

ロベルト・アンドリッヒのゴールで試合を引き分けに持ち込んだ第31節シュツットガルト戦のハイライト動画。今季後半戦は試合終盤に追いつくことが多く、EL準々決勝ウェストハム戦のセカンドレグから3試合連続となる同点劇で公式戦無敗記録を46に伸ばしている

 2年目の指揮となるシャビ・アロンソ監督が率いるレバークーゼンは、4月14日の第29節・ブレーメン戦に5-0で勝利し、11連覇していたバイエルンに大きな勝ち点差をつけ、クラブ史上初のブンデスリーガ優勝を達成した。

 その圧倒的な力は国内リーグだけにとどまらず、ELでも無敗。この記録がどこまで伸びるかは残りのシーズンの注目ポイントとなっている。

 そんな強烈なインパクトを残すレバークーゼンを深掘りする――のは他の方に任せるとしよう。

 では今回、何の話をするのかと言えば、レバークーゼンの無敗記録を止めるかもしれないチームの話だ。

 現在、46試合負けなしと無敗記録を伸ばし続けるレバークーゼン。そんな彼らが直近で敗れた最後の試合をご存じだろうか。それは昨季の最終節、舞台はボノビア・ルーア・シュタディオンである。

ボノビア・ルーア・シュタディオン

 この試合、レバークーゼンはその試合で前半の早い時間帯に退場者を出してしまうと、オールコートマンツーマンのディフェンスに苦戦を強いられ、最終的に0-3と大差での敗戦を喫した。これはシャビ・アロンソ監督就任直後に行われたフランクフルト戦とポルト戦を除くと、唯一3点差をつけられた試合でもある。

 今回の話の焦点となるのは、その試合に勝利したチームだ。ドイツ・ノルトライン=ベストファーレン州ボーフムに本拠地を置く、VfLボーフム。日本代表FW浅野拓磨の所属することでも知られる、このチームについて語らいたいと思う。……

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Profile

林 遼平

1987年生まれ、埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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