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“美しく勝つ”バルサはなぜ“FCメッシ”へと崩壊した?愛憎劇と狂乱の先で試される底力、シャビという希望

2022.05.13

『バルサ・コンプレックス』発売記念企画#4

4月28日に刊行した『バルサ・コンプレックス』は、著名ジャーナリストのサイモン・クーパーがバルセロナの美醜を戦術、育成、移籍から文化、社会、政治まであますところなく解き明かした、500ページ以上におよぶ超大作だ。その発売を記念して長年バルサを見続けてきたぶんた氏に、クレ(バルサファンの愛称)目線での書評を綴ってもらった。

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思想家のクライフ、完璧主義者のペップ

 「サッカーの醍醐味とは?」を見る側に挑発的に問い、結果至上主義に蝕まれた当時のフットボールシーンにアンチテーゼを打ち込む。ヨハン・クライフには一種のアナーキズムがあったと思う。

 バルサ特有の「エントルノ」というやかましく特別な環境の中でもそれができたのは、理想とするアタッキングフットボールへの揺るぎない自信と、勝利よりもっと大切なものがあるというユートピアの輪郭を独自につかんでいたからではないだろうか。

 息子ジョルディも「父は90分後に残された結果ではなく、何年も経った後に残される成果だけを考えていた」と、この本には書いてあった。

 フットボールの競技としての勝敗も大事だが、文化としてあくまでも娯楽であるというサポーター・ファーストを常に中心に捉え、フットボールの芸術性を構築する。サポーターの良心を信じ魅了させるスタイルの追求だ。……

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Profile

ぶんた

戦後プリズン・ブレイクから、男たちの抗争に疲れ果て、トラック野郎に転身。デコトラ一番星で、日本を飛び出しバルセロナへ爆走。現地で出会ったフットボールクラブに一目惚れ。現在はフットボーラー・ヘアースタイル研究のマイスターの称号を得て、リキプッチに似合うリーゼントスタイルを思案中。座右の銘は「追うもんの方が、追われるもんより強いんじゃ!」