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ダニー・イングスと大切な仲間たちのハートウォーミング・ストーリー

2020.02.01

 現在プレミアリーグで最も手の付けられないストライカーといえば、サウサンプトン浮上の原動力となっているダニー・イングスだろう。

 イングランド南部出身のイングスは生粋のサウサンプトンファンだ。だが、ユース時代に放出されたあとは、イングランド北部などでプレーした。バーンリーで結果を残して2015年にリバプールに引き抜かれたが、ケガもあって3年間でリーグ戦14試合にしか出場できなかった。そんな時、彼は新しい仲間に出会った。それが2頭のゴールデンドゥードル、オスの「ルウィー」とメスの「デイジー」だ。

苦難の時を支えた大切な仲間

 ゴールデンドゥードルとは、ゴールデンレトリーバーとプードルをかけ合わせたミックス犬で、人懐っこくて飼いやすいため、非常に人気が高い。「数年前から飼っている」とイングスはサウサンプトンのクラブ公式サイトで語る。「北部にいる頃は、彼らのおかげで気が和らいだ」

 イングスは2015年10月、UEFAユーロ予選でイングランド代表デビューを飾ったが、今のところ代表ではその1キャップに留まっている。代表デビューの3日後、リバプールの監督に就任したユルゲン・クロップの下での最初の練習で左膝の前十字靱帯を損傷して離脱したのだ。その後、一度は復帰するも、1年後に今度は右膝を負傷して手術を受けた。その頃に2匹の大切な仲間を迎えたという。

 「ケガで松葉杖生活をしていた時に飼い始めた。最初は2匹ともクレイジーだったよ。私にお構いなしで暴れ回っていたんだ。数年して、ようやく落ち着いてくれたよ。今は彼らも(サウサンプトンの)自宅を気に入ってくれている。素敵な庭があるからね。彼らは全力で庭をめちゃくちゃにしてくれるのさ!」

ようやく手に入れた平穏な生活

 2匹と暮らすイングスだが、最初は1頭だけしか飼うつもりがなかったという。「男の子を飼う予定だった。下見に行き、ルウィーを買おうと思ったら、寝ていたはずのデイジーが起きてきて私の膝の上に座ったんだ。30秒で骨抜きにされたよ! だから2匹とも飼うことにしたんだ」

 2018年にリバプールから憧れのクラブであるサウサンプトンへの移籍が決まったイングスだが、やはり試合に出られなかったリバプール時代は辛かったという。「チームメイトの前でこそ暗い表情は見せなかったけど、家では犬たちと一緒に座って落ち込んだものさ」

 サウサンプトンに移籍した当初も少し問題があったという。「最初はホテル暮らしだったので、ペットを飼うことが許されなかった。そのため2カ月ほど母に預けていたんだ。2日に1回は彼らに会いに行っていたよ」

 今はサウサンプトン郊外に居を構え、愛犬と一緒に暮らしている。他にも趣味のギターを弾いたり、大学で経済学を学んだりと、充実した私生活を送っている。だから活躍できる、なんて甘い世界ではないが、過酷なプロ生活だからこそ心の安らぎが必要なのだ。「どんなストライカーも同じことを言うはずだ。プレーを楽しめている時こそ最高のパフォーマンスを発揮できるんだ!」

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Photo: Getty Images

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Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。