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いろいろあった2019年にスペイン。各ニュースの続報総まとめ

2019.12.28

 2019年最後のスペインからのレポートということで、いくつかのニュースの続報をまとめてお伝えしておこう。

ラジョには制裁が科された

 まず、前回お伝えしたラジョ・バジェカーノvsアルバセーテがゾズリャへの中傷・罵倒コールで前半終了時に中断された件は、無観客で再開となり、ラジョに対して1万8000ユーロ(約220万円)の罰金と2試合のゴール裏閉鎖の制裁が科されることになった。これに対し、ラジョ側からは「少数派の蛮行の責任をクラブ、他のファンが負うのは不公平」という声が出ているが、いかに少数でもスタジアムでの蛮行はクラブの責任であり、たとえアウェイファンが暴れたとしても制裁は警備・運営を担当するホーム側クラブが負う決まりになっている。

 罵倒コールを原因としての「試合の中断→後日再開+制裁」は、リーガでは初の事例となる。これまではエトーやダニエウ・アウベスがモンキーチャントを浴びても周囲がなだめて試合を続行していただけに、罵倒コール抑止に向けて画期的な前例となった。

 女子サッカーのプロ選手の待遇がアルバイト並み、という件では、交渉1年以上、30回近い会談、さらにはストライキを経て、ついに12月20日に労使が概ね合意に達した。2020年1月15日の正式調印を経て、欧州初の女子サッカーの労働協約が誕生することになる。

 協約締結により、これまで個人と個々のクラブ間の力関係で恣意的に決められていた契約内容は、最低年俸(1万6000ユーロ=約195万円)、妊娠時の措置(妊娠時に契約が終了した場合、同条件で1年間自動更新)、有給休暇(年間30日間、うち21日間は連続)、週休1日半……などの規定を遵守しなければならなくなった。女子選手の地位向上のためには大きな一歩である。

グティ就任でメディア露出増加

 クラシコの妨害運動の件については、スタジアム内では予想通り「SPAIN, SIT DOWN & TALK」(スペインよ、対話の席に着け)の横断幕を広げ、同じスローガン入りの黄色いボールをいくつか投げ込む程度に終わった。また、スタジアム外では抗議集会が開かれ、試合後にごく一部の暴徒がゴミ箱を燃やすなどの蛮行に出た。

 2部アルメリアの監督に就任したグティは、就任後3勝3分1敗で、6勝6分2敗だった前任者のペースを維持した。ただし得失点は7試合で11得点8失点となっており、14試合で26得点14失点だった前任者時代に比べて悪化している。

 とはいえ、「監督なんだからグティではなくホセ・マリア・グティエレスとフルネームで呼んでほしい」と発言して話題になるなど、メディアでの注目度は急上昇。昇格圏の2位を維持したことだし、監督交代は一応成功と言えそうだ。


Photo: Getty Images

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グティ

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。