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時価総額5500億円に達したシティ。ペップが成長のカギを握る

2019.12.02

 11月27日、米プライベートエクイティー(未公開株)投資会社の『シルバーレイク・マネジメント』が、マンチェスター・シティをはじめとするシティ・グループの株の10%(約550億円)を5億ドルで取得することを表明した。これはつまり、同社がシティ・グループ全体の企業価値を約50億ドル(5500億円)と評価したことを意味する。この話は、サッカーメディアよりも金融・経済メディアに大きく取り上げられることとなった。

 経済誌『ブルームバーグ』によれば、同じマンチェスターのライバル、マンチェスター・ユナイテッドの時価総額は約30億ドル(3300億円)というから、両クラブ間の“価値”の差は開き続けているようだ。

 マンチェスター・シティの代表を務めるカルドゥーン・アル・ムバラク氏は、このクラブの成長において、ペップ・グアルディオラの存在が不可欠だったことを明かした。ドイツの『トランスファーマルクト』が英国『Sky』からのインタビューを紹介している。

 アル・ムバラク氏はこの『シルバーレイク』の参入を、これまで10年間のビジネスの成功が評価されたものと見ており、今後の10年間を見据えた時に、この共同プロジェクトは有意義なものになると見ている。「この10年間、我々は明確な事業計画、明確な投資戦略、そして明確な国際戦略に力を入れてきた。今ではサッカービジネスをリードする存在となり、これらのプロジェクトはすべて持続的に利益を挙げられるものとなった。実際、この5年間は黒字経営で利益を挙げている。『シルバーレイク』は、この持続可能なビジネスモデルに目を付けたのだ」

ビジネス面にも影響を与えたグアルディオラ

 このクラブの成長に関して、2016年に監督に就任したグアルディオラの存在は、ビジネス面での成長から見ても欠かせないようだ。「我々はペップの中にリーダーを見出している。常に能力を証明し、とどまることなく成長を続け、チャレンジし続けるリーダーだ。このチームは“努力を惜しまない選手”と“並外れた能力のマネージャー”から構成された特別なチームだ。グアルディオラはこの組織に信じられないほどの豊穣さをもたらしてくれた」

 グアルディオラによる影響は、ピッチ上の成功だけにとどまらない。アル・ムバラク氏は「ペップとチームがもたらした成功は不可欠な意義を持つ。この成功による影響はグループ全体に波及している」と語った。安定してクオリティの高いサッカーを提示し、“ショーケース”となるプレミアリーグ、そしてUEFAチャンピオンズリーグで結果を出し続けられることが、ビジネス面での持続的な基盤になると見ているようだ。

 英国に基盤を置くマンチェスターCおよびシティ・グループだけあって、今後力を入れる市場も定まっているようだ。アル・ムバラク氏は将来的な事業、投資、そして国際戦略について、明確なビジョンがあることを次のように示唆している。

 「(市場価値の)成長という観点から見て、我々にとって大きな市場が3つある。中国、インド、そして米国だ。中国と米国にはすでに投資を行っているが、これからは積極的にインド市場に打って出てポジションを確立したい」

 投資に見合ったリターンをもたらす監督の存在が、持続可能なサッカービジネスの基盤になるとみなすアル・ムバラク氏は、グアルディオラをみすみす手放すつもりはないようだ。「我々はペップの仕事ぶりにとても満足している。そして、我々が彼のために行ってきた仕事にも満足している。これから数年にもおよぶ共同作業の発展を楽しみにしている」


Photo: Getty Images

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ペップ・グアルディオラマンチェスター・シティ

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。