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ドイツのユニフォーム事情(3)独自路線を進むブランド×クラブ

2019.08.05

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 第1回第2回では、アディダスやナイキといった国内外の巨大コンツェルンの動きを追った。最後は、それぞれ独自の戦略を打ち出すブンデスリーガのクラブとブランドの関係を見ていこう。

独自路線のヒュンメル×フライブルク

 こういった巨大企業以外にも、ユニークな契約を結んでいるのはフライブルクだ。2016年から契約を結んでいるヒュンメルは、『ファイト・ザ・マター』というプロジェクトを敢行し、オンラインセールスの売上1%をアフガニスタンの女子サッカーや、ベルリンのLGBTラグビーチームといったプロジェクトに投資するなど、『スポーツを通じて世界を変える』というモットーの下に社会貢献を積極的に行うクラブというイメージが強いブランドだ。JリーグのV・ファーレン長崎でも『平和への祈り』プロジェクトを展開するなど、スポンサリングの枠を超えたプロジェクトを展開している。

 またフライブルクも、ドイツ国内で優れたアカデミーシステムの先駆者であり、また健全経営でクリーンなイメージを持っており、クラブと企業、双方の理念が合致した形の契約となった。金額こそ明らかにされていないが、フライブルクのクラブがユニフォームのデザインを行えるオプションが付いている。

企業側の成長を促すレバークーゼン

レバークーゼンのユニフォームは国内メーカーの「JAKO(ヤコ)」

 レバークーゼンは、ドイツ国内のJAKO(ヤコ)と契約している。このブランドは、主にドイツ国内のアマチュア・セミプロのクラブを積極的にマーケットの対象としてきた。現在では10万を超えるクラブのパートナーとして活動している。250万ユーロ(約3億円)と欧州CLを狙うクラブとしては少額な契約だが、積極的にクラブのプロジェクトに賛同し、柔軟にユニフォーム製造などに対応することから2022年までの契約にも納得しているようだ。

 マネージャーのルディ・フェラーは、「レバークーゼンは、ドイツのトップクラブをサポートすることで、ヤコがさらに成長するチャンスを与えています。ヤコが、我々を納得させたアイディアやコンセプトは、全て実行に移されています」と現在のパートナーシップに満足を示している。バイヤーという世界屈指の製薬コンツェルンが背後にいるだけに、金銭以外にもさまざまなメリットを相互に見出しているようだ。

ケルンは元GKの副会長が縁になって……

 ケルンと2022年までの契約を結んでいるウール・シュポルトは、主にGK向けの製品に特化してブランドの地位を築いてきた。現在は、ハンドボールにもオリジナルブランドの『KEMPA(ケンパ)』として進出し、ドイツ代表をはじめ、ドイツ2番目の人気スポーツでも存在感を放っている。バスケットボールの米国メーカー『スポルディング』のドイツ国内の販売権も獲得しており、GKを含めて「手を使った球技」に特化している。

 往年の名GKとしてウール・シュポルトの広告塔を務めたトニ・シューマッハーがケルンの副会長を務めている(2019年9月まで)縁もあり、320万ユーロ(約4億円)という金額やキャンペーンごとのグッズ製造などの蜜月は続きそうだ。

 他にも、ホッフェンハイムと契約をしたばかりのスペインのJoma(ホマ)、マインツとの契約が切れるイタリアのlotto(ロット)、ドイツのアマチュアサッカー界を支えるSaller(ザラー)と契約しているパーダーボルンなど、スポンサー契約には、それぞれのクラブの思惑とメーカーのブランドイメージが透けて見える。

 もちろん、詳しい内部情報こそつかめないものの、このように出てくる情報からそれぞれの思惑を読み取るのも、サッカーファンとしてマニアックな楽しみ方のひとつ。Jリーグをはじめ、他の国々でもこういった話があれば興味深いデータになることは間違いない。


Photos: Getty Images

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Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。

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