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「カンナバーロに憧れていた」。デ・リフト、満を持してユーベに

2019.07.21

1年前のロナウドと同じように

 「ユーベに加入し、アリアンツ・スタジアムでプレーするということは挑戦だと思う。ファンはとてもピッチに近くて、プレー中も伝わってきて感銘を受けた。あの夜は準決勝進出を決められて、僕にとっては素晴らしいものだったけど、ユベントスにはそうならなかった。でも、ユーベのファンとあのスタジアムが重要だということはよくわかった。たしかに、僕がここにきた要因のひとつとなっている」

 18日、8500万ユーロ(約102億円)もの移籍金でアヤックスからユベントスに加入したマタイス・デ・リフト。翌19日の記者会見で発せられた彼のコメントには、ある種の既視感があった。「あれは僕にとっても特別な瞬間だった」と1年前にクリスティアーノ・ロナウドが語ったセリフと重なるのだ。両者とも、チャンピオンズリーグでの対戦でユーベ相手にゴールを決めて勝利したのである。ロナウドは、観客席からのスタンディングオベーションを呼んだ。そしてデ・リフトも、高齢化するDFの後継者としてファンやメディアから獲得を進言されるようになったのである。

 卓越した身体能力を有しながら、ボールコントロールにもキックの質にも優れた極めてモダンなセンターバック。19歳にして国際的な評価を築き、メガクラブから引きのあったオランダ代表DFが選んだのは、CL準々決勝で下した相手だ。しかしそれは彼にとって、思い入れのあるクラブでもあった。「7歳の頃はカンナバーロに憧れていた。いっつもユベントスには好感を持っていたし、ファンだったんだ」と、当時の重鎮だったファビオ・カンナバーロを中心にユーベの守備に注目していたことを告白。そしてマウリツィオ・サッリ新監督についても「彼のサッカー哲学と、ディフェンスラインのトレーニングの仕方はすごく良いと聞いていた」とも好印象を語った。

 地元紙各紙の報道によれば、デ・リフトには1億5000万ユーロ(約181億円)もの移籍違約金事項が盛り込まれているというが、その権利は2021年まで発生しない。つまり少なくとも2年間は、腰を据えてイタリアで守備の流儀を身につけるという心構えが見て取れる。どのような成長を遂げるのか注目である。

デ・リフト加入でCBの有望株はどうなる?

 ところでデ・リフトの加入により、ユーベでは別の若手CBの動向に注目が集まっている。サッスオーロから獲得されたばかりのトルコ代表DFメリフ・デミラルだ。

サッスオーロで評価を高め、デミラルはユーベ移籍を勝ち取った

 フェネルバフチェの下部組織からスポルティングに引き抜かれた逸材。1月からサッスオーロに渡ると、192cmの体躯に似つかぬダッシュ力とインターセプトのセンスでたちまち評価を上げ、7月にユーベ移籍を果たした。チーム戦術が4バックとなりCBの人材が余剰となる中、逆にCBの層に悩むミランがレンタルでの獲得を画策しているとの噂だ。ベンチにで腐らせておくにはもったいない存在だが、果たしてどういう進路を選択するのか。

 イタリア代表でも常連となったジャンルカ・マンチーニがローマへ移籍し、ラツィオにはコペンハーゲンから巨漢のスロバキア人DFデニス・バブロが加入。そして冨安健洋がボローニャでセリエA挑戦を決めた。新シーズンのセリエAは、若いCBたちが脚光を浴びる1年となりそうだ。


Photos: Getty Images

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マタイス・デ・リフトメリフ・デミラルユベントス移籍

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。