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国内3冠達成直後の「欲求不満」。だからペップは名将と呼ばれる

2019.05.21

マンチェスター・シティのジョセップ・グアルディオラ監督とFWラヒーム・スターリング

優勝してもなお「熱血指導」が止まらない

 ワトフォードを6-0で退けてFAカップを制し、2018-19シーズンを締めくくったマンチェスター・シティ。表彰式では全選手がカラバオ・カップ、プレミアリーグに続くタイトルに狂喜乱舞していたが、その中で監督ペップ・グアルディオラが見せた驚きの「熱血指導」がサポーターの間で話題となっている。

 チームが優勝カップを掲げた後、ラヒーム・スターリングに詰め寄ったペップは身振り手振りをまじえて指導を開始。イングランド史上初となる国内3冠を達成した直後でも教えを説き続ける名将にスターリングは戸惑いを隠せない様子だったが、最後はお互いに笑顔を見せ合い別れていった。

 その後の記者会見でこのワンシーンについて質問が飛ぶと、ペップはこう答えた。

 「ラヒームは素晴らしいシーズンを過ごしたけれど、前半の彼は良いプレーができていなかった。私が話していたのは改善点だよ。ボールを失っていたし、アクションの素早さが足りていなかったし、パスすべきところでパスを出せていなかった」

「断言しよう。私たちはまだまだ多くの点で改善できる」

 この日も2ゴールを挙げて勝利の立役者となったスターリングだが、そのパフォーマンスに満足できなかったペップ。カタルーニャ人指揮官は、いかなるときも選手を成長させることが「監督の仕事」だと続ける。

 「いつも自分たちで改善していくんだ。まずは私が発破をかけて、コーチングスタッフと共にチャレンジしていく。自分たちで尻を叩き続けて向上していくしか方法はないよ」

 「私たちが偉業を成し遂げられたのは選手たちのおかげに他ならない。彼らの背中を押したり、尻を叩き続けたり、改善点やその理由を伝えるためだけに私たちはチームに存在するんだ」

 選手たちをさらなる高みへ導くために目を光らせ続けるペップ。その視線はすでに2019-20シーズンへと向けられている。

 「『今季は終了したから、来季のことは一旦忘れよう』なんて言う人もいるけど、そんなことはできっこないよ。来季のことも頭に入れておかなくてはいけないんだ。今季終了と同時に始めていかなくてはならないこともあるからね。断言しよう。私たちはまだまだ多くの点で改善できる」

 その向上心がとどまることを知らないのは、選手たちの伸びしろを信じているからこそ。6ゴールを叩き込んで国内3冠を達成した直後に見せた「欲求不満」こそ、ペップが名将たるゆえんだろう。


Photo: Getty Images

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ペップ・グアルディオラマンチェスター・シティラヒーム・スターリング

Profile

足立 真俊

1996年生まれ。米ウィスコンシン大学でコミュニケーション学を専攻。卒業後は外資系OTAで働く傍ら、『フットボリスタ』を中心としたサッカーメディアで執筆・翻訳・編集経験を積む。2019年5月より同誌編集部の一員に。プロフィール写真は本人。Twitter:@fantaglandista

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