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「CLに行こうぜ!」と怪気炎。ピッチ内外で成長するアタランタ

2019.04.24

CL目指し、新スタジアム建設も進行中

 セリエAのチャンピオンズリーグ出場権争いが混迷を極める中、それを演出する存在が出ている。アタランタだ。ナポリをアウェイで逆転で破り、第33節終了時点での勝ち点を56とした。これは4位ミランに並ぶ数字である。地元紙によれば、試合後のロッカールームでは「CLに行こうぜ!」と選手同士が怪気炎を上げて祝福。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督も「必ず行けるとは言わない。ただ残りも少ないことだし、挑戦する価値のあることだ」と意気込みを見せた。

 充実した育成部門を経営の柱とし、トップチームはAとBの間を行ったり来たりする地方クラブ。数年前まではそんなイメージで語られた彼らは、過去2シーズンでヨーロッパリーグ出場権を争い、今シーズンはCLに手をかけつつある。出場権を得られれば、もちろんクラブ史上初だ。

 そんなアタランタが、経営規模の異なるビッグクラブが一堂に会するCLで戦っていけるのだろうかと不安視されそうなところだが、実はそのための重要な設備投資を図っている。つまり、スタジアムの改修である。

 現在のホーム、スタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリアはベルガモ市の所有だったが、その所有権を購入したアタランタは、専用スタジアムの開発計画をぶち上げた。集客数は現在の21300人から約3000人ほど増えた24000人程度になるが、その代わり全周に屋根がつく。現在はゴール裏のスタンドが屋根なしでむき出しとなっており、何より元々は陸上トラックがあったためピッチから客席までが遠いのだ。現スタジアムはUEFAの規格を満たしておらず、ホーム開催の必要上、改修は必要なことだった。

 クラブは、この改修工事に2019年5月から取りかかる。ホームでの今季ラスト2試合はレッジョ・エミリアで代替地開催とし、まずは北側のクルバ(ゴール裏)からスタンドを壊して跡地に新しいものを造る。そのあとは3回の工期に分けて場所を変えながら続け、2021年の運用開始までに全周を終わらせる計画だ。これは、スタディオ・フリウリを改修したウディネーゼのダチア・アレーナと同じ方式だ。「間違いなく素晴らしいスタジアムになる。これをベルガモの街に、そしてファンの皆様に差し上げたい」とアントニオ・ペルカッシ会長は語った。

 他にも、アタランタのマーケティング戦略はユニークだ。地元のファンに対象を絞りながら、アパレルを中心にスペシャルグッズを企画。今シーズンのクリスマスには、ベルガモの街を描いたクリスマス用のスペシャルユニフォームを販売した。

 経営を強化し、クラブ規模を拡大し、CLにも進出できるようになれば、今季はCLで準決勝進出を果たしたアヤックスのイタリア版になることも可能だろうか? ペルカッシ会長は「われわれの目標は残留にある。期待を膨らませすぎないようにしたい」と慎重に語っているが……。

Photo: Getty Images

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アタランタセリエA

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。