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イタリアの主将を務めたドンナルンマ。ブーイング騒動に対する反応は?

2021.10.11

 10月10日、トリノのアリアンツ・スタジアムで行われたUEFAネーションズリーグ3位決定戦で、イタリアはベルギーを2-1で破って3位入賞を果たした。

 ベンチスタートとなった主将のジョルジョ・キエッリーニに代わってキャプテンマークを巻いたのは、GKジャンルイジ・ドンナルンマだった。22歳7カ月という若さでゲームキャプテンを任されたのは、ジャンニ・リベラが21歳8カ月で主将を努めた1965年以降では最も若い年齢によるものだった。

スペイン戦で大ブーイング

 選出の経緯についてはロベルト・マンチーニ監督などから特に説明はされていないが、10月6日にミラノのサン・シーロで行われた準決勝スペイン戦でのエピソードを受けてのものと見られている。

 古巣ミランのホームで先発出場したところ、試合開始からその一挙手一投足に合わせて指笛が吹かれ、ブーイングが浴びせられた。ドンナルンマは動揺を隠せず、失点に絡むなどミスを連発。そして試合は1-2で敗れた。

 物議を醸した。マンチーニ監督はブーイングについて「理解できないし、正しくない。クラブではなく代表の試合。パリ・サンジェルマンとミランの試合などだったらブーイングも浴びせていいだろうが、イタリア代表の試合では代表チームのことが上にくるはずだ」とファンに苦言を呈した。

 その後はサッカー関係者やメディアの間で「恥ずべきことだ」「受け入れ難い」「ファンにはブーイングをする権利がある」などと様々な意見が噴出した。

代理人は激怒、本人は冷静

 そんな中、ドンナルンマの代理人であるミーノ・ライオラ氏はイタリアの複数の地元紙を通して、ドンナルンマの古巣ミランを猛批判。「なぜ彼らが公式に抗議行動と距離を取る声明を出さないのか理解に苦しむ。脅迫を受けた話をしようか? 殺人でも犯したのか?」と契約更新拒否からPSGへの移籍に至るまでの地元ファンからの抗議行動に対処をしなかったことを引き合いに非難した。

 一方、ドンナルンマは自身のSNSで「望む結果ではなかったけどみんな全力は尽くした。頭を上げて次の目標へ臨みたい」とあくまで試合についてコメント。そしてベルギー戦ではゲームキャプテンとして先発出場し、2度のビッグセーブを果たして勝利に貢献した。

 その間、アリアンツ・スタジアムの観客は積極的に拍手を送り、10月11日付の『トゥットスポルト』は「クリスティアーノ・ロナウドがユベントス相手にオーバーヘッドを決めて、ファンに賞賛された後にユーベに加入したが、同じことになるのか?」と、ユベンティーノの期待感を煽る記事を出していた。

 若いながら、さまざまな重圧にさらされたイタリアの正GK。「ブーイングに動揺するなど、この2戦でドンナルンマは脆さも見せた。GKが若いのはストライカー不足と並ぶイタリアの弱点にもなる」などと地元メディアからは批判が出る一方、元イタリア代表主将のファビオ・カンナバーロ氏は「タイトル獲得へ導くことのできる選手ではあるけど、彼はまだ22歳だからね」と擁護の必要性を説いた。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。