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ティグレスサポーターに朗報。ジニャックが新たに3年契約を締結

2021.03.02

 開催時期が2020年末から延期され、今年2月にカタールで行われたFIFAクラブワールドカップ2020では、メキシコのティグレスが決勝に進出するサプライズを起こした。そして、躍進の立役者となったエースストライカーがこのほど、新たな決断を下した。

決勝進出の立役者に

 先のクラブW杯において、ティグレスは準々決勝でアジア王者の蔚山現代(韓国)を2-1で下すと、準決勝では南米王者パルメイラス(ブラジル)を1-0で破るアップセットをやってのけた。決勝ではバイエルンに0-1と惜敗したものの、北中米カリブ海地区(CONCACAF)のチャンピオンチームがクラブW杯で決勝に勝ち進んだのは史上初めて。

 メキシコ勢はこれまで、CONCACAF圏内では圧倒的な強さを発揮しながらクラブW杯ではあっさり敗れる失態を演じることが多かっただけに、ティグレスの決勝進出は快挙と言える。

 そして、同大会でチームが挙げた3得点すべてを叩き出し、大会得点王にも輝いたのが、2010年南アフリカW杯やEURO2016にも出場した35歳の元フランス代表FWアンドレ・ピエール・ジニャックだ。

 そのジニャックが2月27日、ティグレスとの契約を更新した。しかも、2024年までの3年契約を新たに締結したのだ。メキシコのスポーツメディア『mediotiempo』によると、当初は1年間の契約延長の予定だったものが、3年間に変更されたという。

 ティグレスは2月25日、アトレティコ・サン・ルイスと国内リーグ第8節を戦い、2-2で引き分けた。この試合はジニャックにとって、ティグレスにおける公式戦通算250試合目。そのメモリアルマッチを終えた直後、彼はクラブとの契約を更新したのである。

加入を機にクラブは強豪化

 ジニャックは2015年6月、マルセイユからティグレスに移籍した。そして、250試合を戦う間に147ものゴールを積み上げた。これはクラブの史上最多記録だ。

 そして彼の加入以降、ティグレスは一気に強豪の仲間入りを果たした。国内リーグでは2015年前期、2016年前期、2017年前期、2019年後期と4回に渡って優勝。1部と2部の優勝クラブ同士が対戦する「カンペオン・デ・カンペオーネス」では2016年から3連覇を達成し、2020年にはCONCACAFチャンピオンズリーグで初優勝を飾っている。加入初年度の2015年には、招待出場のコパ・リベルタドーレスで決勝に進出する快挙も成し遂げた。

 また、ジニャック自身も2016年後期リーグと2018年前期リーグで得点王に輝いている。現在のリーグ戦ではここまで4試合1ゴールとフル稼働には至っていないが、前線での存在感は抜群だ。

 契約更新の席上で、ティグレスのアレハンドロ・ロドリゲス会長は「君がここにいてくれること、そして今後もプレーし続けてくれることを誇らしく思う。チームへの献身に感謝する」との言葉をジニャックに送った。この契約が終わる時、ジニャックは38歳になる。恐らくこのクラブでキャリアを終えることになるだろう。

 ティグレスはメキシコ屈指の人気クラブで、4万2000人弱を収容するホームスタジアムは毎試合ほぼ満員になる。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現在はリーグ戦全体で無観客開催が続いている。

 スタジアムに観客が戻る日がいつになるのか予想すらできない状態だが、この3年契約を全うする間にはその日がきっと来るはず。熱狂的なサポーターたちはそう信じ、スタジアムでジニャックのプレーが見られる日が来ることを待っているはずだ。


Photo: Getty Images

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アンドレ・ピエール・ジニャックティグレス

Profile

池田 敏明

長野県生まれ、埼玉県育ち。大学院でインカ帝国史を研究し、博士前期課程修了後に海外サッカー専門誌の編集者に。その後、独立してフリーランスのライター、エディター、スペイン語の翻訳家等として活動し、現在に至る。