「結果で見せるしかない」中村敬斗、関根大輝が語るW杯への思い。ランス兄弟の前半戦総括【後編】
Allez!ランスのライオン軍団 #22
2025-26シーズンは中村敬斗、関根大輝が牽引する若き獅子たちの最新動向を、現地フランスから小川由紀子が裏話も満載でお届けする、大好評のスタッド・ランス取材レポート。
第22回は、ランス兄弟の前半戦総括【後編】として、12月13日のリーグ2(フランス2部)第17節レッドスター戦(△0-0)後、両選手それぞれに今シーズンここまでを振り返り、2026年に向けた決意を語ってもらった。
7G2A+「あと7、8点」中村の研ぎ澄まされた得点感覚
まだ12月19日にフランスカップ5回戦のICクロワ(5部)戦を残しているが、リーグ戦は半分の17試合が終了したということで、中村、関根の両選手に前半戦を振り返ってもらった。
まずは、中村選手から。
――今シーズン、ここまでを振り返ると?
「12試合で7点、悪くはないですけど、今日(レッドスター戦)も点取りたかったですね。8点(注:現在リーグ得点ランキング首位が8点)に乗せたかったですけど、7ゴール2アシスト。まあ、いいんじゃないですかね」
――プレー面で向上したと感じるところは?
「去年は守備に回ることが多くて、少ないチャンスを決める、みたいなシーンが多かった。リーグ2になって今シーズンはボールを持てる分、1対1の場面が増えたので仕掛ける回数も増えた。外で受けた時に抜ける自信、縦に行って抜ける自信みたいなのがついたので、そういうところは今シーズン成長しているな、と感じますね」
――とはいえ、リーグ2のディフェンダーは技術で劣る分、体ごとぶつかってきたりとか、予測がしづらくてかえってやりにくそうな印象もあるが?
「そうですね。1対1の対人もそれほど弱い感じはしないです。もちろん、リーグ1に比べたら、というのはありますけど、個人個人の能力で見たら、1部とめちゃくちゃ変わるか、といったらそうでもないと思う」
――今シーズンは開幕から5試合欠場とスタートは出遅れたが、復帰してからは力強いパフォーマンスを維持している。
「(昨シーズン終了後は)2部というのも考慮して、出たい、行きたい、と考えるのはみんなそうだったと思う。その中で、主力の何人かは残ることになるってところで、もちろん全員放出はできないと思っていたけど、自分は去年結果を残していたから、出て行きたかったというのはあります。でも結果として、残って試合に出続けることで、ワールドカップに向けてコンディションも上がるし、2部で2桁得点は絶対取れると自分では思っているので。確約はないですけど、残り17試合で、あと7、8点くらい取れたらいいかなと思う」
――信じて応援し続けてくれていたファンに対しては、そうしたパフォーマンスで見せていきたい、という気持ち?
「結局のところ、結果で見せるしかないのかなって。戻ってきた以上は、言葉とか行動がどうというのではなくて、サッカー選手は自分のゴールで(チームを)勝たせるとか、プレーで見せるしかないですから」
――W杯の組み合わせについての感想も。
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Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。
