SPECIAL

フランス代表ビデオアナリストに聞くムバッペの凄み、理想のアタッカー育成

2020.08.17

インタビュー:ティエリ・マルザレク

2018年のロシアW杯を制したレ・ブルー。決して表に出ることはないが、縁の下の力持ちとしてチームを支えるのがティエリ・マルザレク氏だ。「自分がいなくてもフランス代表は成り立つ。チームは監督あってこそ」と語る謙虚な人柄の53歳。週に数十本は試合のビデオを見て、コーチ陣に貴重な情報を提供する彼の仕事は、数々の栄光に大きく貢献している。

新型コロナウィルスの影響により、INF(クレールフォンテーヌ国立サッカー養成所)訪問取材が叶わなくなってしまったが、メールと電話で懇切丁寧に対応してくれた様子からも、この仕事に傾ける真摯な姿勢や情熱が伝わってきた。今日のサッカーに欠かすことのできないビデオ分析のスペシャリストに、現代サッカーにおけるアタッカーやゲームの潮流について伺った。

サッカーの変化とINFの育成哲学

── まず、フランスサッカーの特徴について教えてください。

 「私が思うに、フランスサッカーの特徴はテクニックとスピードの融合にある。育成においても、テクニックの質を高めることは必須事項とされている。それからフランスの選手たちは早い段階から、バリエーションが豊富で、なおかつレベルの高い戦術に対応する思考を養われる。このことは、育成所を卒業してすぐに異なる対戦相手や様々な状況に臨機応変に対応できるようになるという点において、所属するチームの指導者にとっても彼ら自身にとっても非常に役立つものだ。……

残り:6,774文字/全文:7,388文字
この記事はプレミア会員のみお読みいただけます

10日間無料キャンペーンで続きを読む

プレミア会員 3つの特典

有料記事が読める

動画が観られる

>

雑誌最新号が届く

「footballista」最新号

フットボリスタ 2020年11月号 Issue081

高度化するピッチ外の戦い。FFPを軸にモダンになったクラブ経営を読み解く。 特集➀FFPを理解するためのサッカーファイナンス入門。 特集②20-21欧州展望。新時代を切り開く戦術家たち

10日間無料キャンペーン実施中

TAG

キリアン・ムバッペクレールフォンテーヌ育成

Profile

小川 由紀子

1992年より欧州在住。96年から英国でサッカー取材を始め、F1、自転車、バスケなど他競技にも手を染める。99年以来パリに住まうが実は南米贔屓で、リーグ1のラテンアメリカ化を密かに歓迎しつつ、ブラジル音楽とカポエイラのレッスンにまい進中。