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ホアキン:典型的スペイン人の天然100%に国民が虜

2020.06.13

【チームリーダーの心得】人の心を掴むには自分らしくあれ

FW17
JOAQUÍN Sánchez
ホアキン・サンチェス

(ベティス)
1981.7.21(38歳)181cm / 75kg SPAIN

 「ホアキン・サンチェス 最高の瞬間」と動画検索をして出てくるのは、エッチな話をし、裸で踊り、冗談で周りを爆笑させるビデオがズラリ。あまたある自己顕示欲とナルシズムの塊、幸せな自分を誇示しなければ幸せになれない実は不幸な人間の動画ではなく、“オレで笑ってくれ”というホアキンそのものの人間性のほとばしりのように見える。

 そんなサッカー選手は他にいないだろう。

 昨年12月に1年の契約更新をしたばかりだが、それも「引退発表」のていで始めてオチで逆転発表という筋書きだった。乾貴士への「目を開けろ」発言では日本でお叱りを受けたが、彼の何たるかを理解するスペインでは、お咎めなし、であった。お調子者の宴会部長であり、ベティスへの親近感を振り撒くアンバサダーであり、何よりユース時代から足かけ20年以上もグリーンのチームカラーを守るレジェンドである。

 とはいえ、単なるムードメイカーではない。

 38歳にして初のハットトリック(2019年12月8日)を目の前で見せてもらった時には“歴史の証言者”になったかのように感じたが、選手としてのパフォーマンス(ここ4年間で22ゴール23アシスト。今季の7ゴールはシーズン半ばにしてキャリア2番目)は尻上がりで、スパイクを脱ぐつもりで古巣へ戻ったのにその日は一向に来そうにない。……

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ベティスホアキン・サンチェス

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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