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ファン・マタ:プロフットボーラーの責任

2020.05.31

私は特権的なバブルの中で社会と無関係に生きているのではない

欧州を代表するスター選手の一人であるマンチェスターU在籍7季目の31歳は、今や世界中の同業者たちが賛同、参加する社会貢献活動『コモン・ゴール』(注)の主催者としてピッチの外でも“チーム”の先頭に立ち、また学問や読書を好むなど、サッカー人らしくない人間性で知られている。昨秋、自叙伝を出版した(この売上も99%を寄付するという)スペイン人MFを本誌連載『ウォッチング・グアルディオラ』でお馴染みのスペイン人記者が訪ねた。
(注)Common Goal。2017 年8月にマタが『streetfootballworld』とともに立ち上げた、プロサッカー選手の年俸の1% を慈善事業に寄付する活動

普通の選手ではなかった。子供の時からそうだった。だからレアル・マドリーが彼をオビエド(マタが育ったスペイン北部の都市)まで訪ねて、“ラ・ファブリカ”(工場=Rマドリーの下部組織――のちにスペイン代表を世界一に導いたデル・ボスケとトニ・グランデはこの名称を嫌っていた)の一員にならないかと誘ったのである。ファン・マタ――スペインの著名なスポーツジャーナリストの甥――がスペインサッカー史上最高の世代の一員で、現在マンチェスター・ユナイテッドでプレーしロッカールーム内のリーダー的存在になり得ているのも、普通ではない特別な何かがあったからだ。『Suddenly A Footballer:My Story』という著書を出版したばかりの彼は、マンチェスターのアーンデール・ショッピングセンターでの2時間のサイン会を終え、私を迎えてくれた。......

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インタビューファン・マヌエル・マタマンチェスター・ユナイテッド

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ル マルティン

高名なスペイン人記者。1980年代からラ・リーガと母国代表をテーマに執筆活動に勤しむ。2001年出版の『La Meva Gent, El Meu Futbol(私の人、私のサッカー)』は、ペップ・グアルディオラ自身との共著。マンチェスターとバルセロナを行き来しながら、シティのグアルディオラ体制を追う。2016年から『footballista』で「ウォッチング・グアルディオラ」を連載中。