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人口450万の小さなタレント王国。育成の父が語るクロアチアの秘密

2018.07.14

ロメオ・ヨザク(クロアチアサッカー協会テクニカルディレクター/当時)インタビュー


建国史上初めてW杯ファイナルに勝ち進んだ小国、クロアチアが俄然注目されている。今のクロアチア代表の礎を作ったのは、この男といっても過言ではない。ロメオ・ヨザク――20代の頃はディナモ・ザグレブのユースコーチとしてMFルカ・モドリッチやDFベドラン・チョルルカを育て上げ、2008年からディナモのユースアカデミー校長としてMFマテオ・コバチッチやFWアンドレイ・クラマリッチ、DFシメ・ブルサリコらの成長を見守った。2013年から4年間はクロアチアサッカー協会のテクニカルディレクターとして全カテゴリーの強化を担当し、ブラジルW杯やEURO2016ではチームに帯同している。

ヨザクにインタビューしたのは3年前。彼が語った「クロアチア代表の強化方針」や「サッカー協会の戦略」はこれまで公表する機会がなく、私の手元に眠り続けた内容だが、現在の状況と何一つ変化はない。彼が作った育成システムと育成プログラムは現在も生かされる一方で、経済不況と政治の無支援によるインフラ問題は何一つ解決されていないのだ。あらゆるリソースが限られた中で、クロアチアはどうやって知恵を働かせ、強化を図ろうとしてきたのか。その秘密を彼の言葉から紐解いていく。


11歳からの早期選抜


――財政的な観点からも、クロアチアサッカー協会、あるいはクロアチアサッカー界そのものが、いわば「A代表によって生かされている」状態です(※同協会の95%の収益は、A代表を通してもたらされている)。A代表はW杯とEUROの本大会出場が常に求められる一方で、ユース代表も同時に成長させなくてはなりません。全カテゴリーを統括する立場として、将来のA代表強化に繋がるよう、ユース代表の選手たちにはどんなプレースタイルを要求しているのでしょうか?

 「私はそこまで要求するつもりはない。だが、プレースタイルを語ることとシステムを語ることには違いがある。システムに関していえば、いずれのカテゴリーも4バックでプレーしている。4バックは多かれ少なかれ世界中のチームが採用するシステムなので、何かしら秘密があるわけじゃない。しかし、プレースタイルに関していえば、代表でどうこうできる話じゃないんだ。

 まあ、聞いてくれ。各カテゴリーでクロアチア最高の選手が集まって活動できる期間は、1年間で1カ月半から2カ月の間だ。つまり、10カ月から10カ月半の間はクラブで活動している。それだけにクラブがきちんと育成をしなかったら、サッカー協会としてはいかんともしがたい。我われにとって重要なのは全国に散らばるスクール、その中でも先鋭が集まるクラブの下部組織がしっかりと育成をすることだ。彼らはサッカー協会の指令に沿って動いている。それにより、各カテゴリーで共通のプレースタイルを遂行できるような選手が育てられるんだ。でも、A代表のモドリッチと同じことをU-17代表の選手に要求するなんてことはやらないよ。それぞれの年代に合った要求をしなければならない。しかしながら、招集ごとにスピードやパワーの要求度を段階的に上げていくんだ。

 現状ではユースカテゴリーも頑張っている。もちろん、タレントが集まる世代もあれば、谷間の世代もある。意外にもそんな谷間の世代の方が国際大会で結果を残すこともある。しかし、ユース代表における結果は“大切”ではあるが“重要”ではないんだ。優れたチームならば欧州選手権に進出し、神が許せば世界選手権の出場を勝ち獲る方がいいに決まっている。だがもっと重要なのは、17~19歳の国際大会に参加し、強豪国や強豪クラブと常に戦うことで選手たちがプレッシャーに慣れることだ。そういう試合を通して、我われは誰にどんな能力があるかを見極め、チームに残すか手放すかを判断する。

 どのカテゴリーにもクロアチアは優秀なタレントを複数抱えている。よって、私に課せられた主要な役割は、クラブと同じ育成原理に沿って将来のA代表候補を育成することだと考えている。同時にクラブもサッカー協会の定めた育成原理に沿うんだ。国益を考えたならば、サッカー協会とクラブが別方向に進むことは許されない」


――クロアチアは人口450万人の国だけに、国内のタレント発掘は目が届きやすいと思いますが、ユース代表のセレクションはどのように行っていますか?

 「クロアチア代表の最年少カテゴリーはU-14なので、チームとしてのセレクションはその年齢から始まる。サッカー選手の育成における11~16歳という年齢は、テクニック、インディビデュアル・タクティクス(個人戦術)、ファンクショナル・テクニック(機能的技術)のレベル向上にはとても重要な期間だ。ところが、14歳の代表チームを招集すると、ある選手に何かしらの要素が欠けているケースがある。それはもしかしたら、その選手にとっては遅れて身につく要素なのかもしれない。

 そこでサッカー協会は一つのプロジェクトを実現した。これは私自身も高く評価しているのだが、クロアチア全国で少年向けの育成キャンプを開催しているんだ。育成キャンプでは最も優秀な11歳と12歳の子供たちを県単位で集め、サッカーの基礎を月に2回ずつ叩き込んでいる。同時に子供たちの才能や運動能力、キャラクターをチェックしながら、誰が飛び抜けたタレントなのかを注目しているのさ。彼らのほとんどが国内の有力クラブに加入し、そこの下部組織で育成される。よって、セレクションそのものは14歳ではなく、11歳から始まっているんだ。

 サッカー協会は国内中のタレントをほぼ把握している。U-14代表に呼ばれるような選手は、過去に育成キャンプを経験しなければならない。彼らの能力は11~12歳の頃にチェック済みだしね。代表選手を探し出すには、こういう手段(早期選抜)の方がずっと簡潔だろう。なぜなら14~15歳の時点に能力をチェックし、そのタイミングで『優秀な選手だが、あの要素が欠けている』と判断していては遅過ぎる。私が挙げた要素は10代前半に叩き込まれるべきもので、15歳の少年に一から叩き込むことは不可能だ。だからこそ、サッカー協会はどんなタレントが国内にいるか、11歳の時点で発掘しておかなければならないんだ」


『ディアスポラ』(移民)の囲い込み


――コバチ兄弟(ドイツ出身)やヨシップ・シムニッチ(オーストラリア出身)、イバン・ラキティッチ(スイス出身)を筆頭に、国外で生まれた多くの選手が民族的ルーツというべきクロアチア代表を選択してきたわけですが、その一方でFIFAは移民選手の国籍変更を厳しくし始めています。サッカー協会としてはどのような戦略を考えていますか?

 「クロアチア代表の発展にとって『ディアスポラ』(移民)は、とても大事なセグメントだ。有能な選手が非常に多いことも理由だし、『クロアチアの人口は450万人だが、ディアスポラも国外に450万人住んでいる』と言われるほど数がいる。つまり、クロアチア人は国内外に900万人前後住む計算になる。

 チリやアルゼンチンを訪れて知ったのは、現地に住むディアスポラは第6世代に渡っているということだ。その誰もが今でもクロアチア人としてのルーツを意識しているものの、ほとんどがクロアチア語を話せない。クロアチアの苗字を受け継ぐ者もいれば、受け継がなかった者もいる。先祖が誰だかどこから来たのかも知らないんだ。それだけにプロセスはやすやすとはいかない。

 例えば、ドイツやオーストラリア、カナダに住むクロアチア人はまだ我われに近く、第2~4世代といったところだ。私たちはサッカー協会のために働く現地のクロアチア人を探し出し、彼らとコミュニケーションを取り合っている。アメリカやスウェーデン、オーストリアやスイスなどにもパイプがあり、才能ある移民選手の情報をサッカー協会に提供してくれるんだ。この手法は実にうまくいっている。

 オーストラリアやカナダ、またアメリカにも言える話だが、これらの国々に生まれた移民選手にとっては、出身国の代表よりもクロアチア代表でプレーすることに、より一層の名誉を感じている。なぜなら、クロアチア代表の方がチームとして優れているからだ。しかしながら、ややこしいケースもある。ドイツ出身の移民選手、それも第5世代の子供とかになったら少し厄介だ。我われが欲したところでも、ドイツサッカー連盟がすでに優秀な子供を囲い込んでいる。ドイツ語を話すが、クロアチア語は話せない。父親はクロアチア代表に入ってほしいが、子供はそうでもない。となると一筋縄ではいかないよ。しかし、我われもドイツ在住の子供を何人か囲い込んでいる。14~16歳の時点で囲い込んでおけば、のちのち国籍証明書やパスポートの発行手続きで煩雑になることもない。例えば、出身国ですでにユース代表を経験している19歳の選手をクロアチアが初招集したら問題が生じるんだ」

スイス出身のラキティッチ。U-21スイス代表でのプレー経験を持つが、最終的にはルーツであるクロアチア代表を選択した


A代表が“本物”になるために


――テーマをA代表に移しましょう。独立後のクロアチア代表は2度の予選敗退を除けば、すべての国際舞台に進んでいます。しかし、今世紀に入ってからはグループステージで苦戦しています。あなたが帯同したブラジルW杯でも、クロアチアはグループステージ敗退を強いられました。

 「うーむ……W杯はやはりW杯だ。EUROの方がW杯よりも難しい大会かもしれないがね。しかし、10回中8回(※現在は12回中10回)の予選突破を果たしたことは素晴らしい成果だ。セルビアだってやってのけてはいない。いや、セルビアどころか、ドイツやフランス、スペインなどの常連国を除けば、どこの国が成し遂げたというのかね? それだけクロアチアは立派な業績を残したということだ。W杯やEUROのグループステージを勝ち抜くには“本物”にならなくてはならない。そのために必要不可欠なのは、成熟のピークを迎えたチームを持つことがまず一つ。平均年齢でいえば25~28歳あたり。そして幅広い選手層を持つことがもう一つだ。10人や11人の主力では戦えない。20人の主力が必要となる。

 ブラジルW杯で我われが最後に屈したメキシコは、人口1億2千万人を抱える一流のサッカー国だ。開幕戦のブラジル戦は何とか戦えたが、結果は出なかった。今はクロアチア代表がEURO2016で最高の状態を迎えられるよう、代表監督のニコ・コバチ(当時)と一緒に細心の注意を図っていかねばならない。本大会で勝ち進むレベルまで押し上げ、チームが機能するようフィジカル面を整え、同時にアタマの中も成熟させていく。現在のクロアチア代表の平均年齢は約28歳だ。それだけにフランス(EURO2016開催国)では“本物”になる必要がある。本大会ではグループステージ突破を果たし、大きな結果を残さねばならない(※結果はベスト16)。なぜなら、3年後のロシアW杯にはモドリッチが32歳になる。チョルルカもマンジュキッチも32歳だ」


――世代交代が必要になってくるわけですね。

 「すでにゆっくりとプロセスは始まっている。ラキティッチが加わり、コバチッチが加わり、他の選手も新たに加わったことで世代交代は着実に進んでいる。しかし、“本物”のチームを再び築き上げることを考慮した上で、世代交代を推し進める必要があるんだ。コバチッチ一人じゃロシアW杯はどうにもならない。これは繊細な事柄だよ。予選突破に成功したところで本大会ではいつも強豪国が待ち構えている。そこで勝ち抜くのは簡単じゃない。だが、クロアチアのような小さな国が常にW杯やEUROに出場していることは偉業だと私は考えている」

現代表チームの中核を担うモドリッチ(左)とマンジュキッチ


貧弱なインフラ。悲願のトレーニングセンター


――次なるテーマは、サッカー協会のプロジェクトに関してです。現在のクロアチアサッカー界における最大の問題点はインフラで、国内にはいまだにナショナルトレーニングセンターが存在しません。FIFAランク上位30カ国の90%以上、UEFA加盟国の半分以上が同施設を保有している中、サッカー協会としてはどうお考えですか?

 「我われにも建設計画はあり、すぐにでも実行に移したい。肝心の建設費は確保してある(※UEFAによる資金援助)。あとは建設地だけを確定する段階だ。首都ザグレブなのか、ザグレブ郊外なのか。だが、絶対にトレーニングセンターは造る。我われにとって必要不可欠な施設だから。そこにジレンマなど存在しない」 ※のちにザグレブでの建設が進められるも更地にした時点で頓挫。建設計画はすべて白紙に戻っている。


――ここ10年間にA代表入りしたクロアチアの選手の80%近くが都市郊外や田舎の出身というデータがある一方、そういったエリアまで好条件のピッチが行き届いていません。それだけに国内全域の環境整備も必要になりますよね?

 「それは先ほど話した各県開催の11~12歳の育成キャンプと繋がる。条件の悪いピッチでは開催しない方針だが、県によって人工芝のピッチがあったりなかったりするんだ(※内陸部は冬が厳しく、10~2月は天然芝が育たない)。よって、各県には少なくとも1つ、照明付きの人工芝ピッチをサッカー協会主導で建設するアイディアがある。そこを育成の拠点として県内で選りすぐりの子供たちを集めるんだ。サッカー協会管轄のナショナルトレーニングセンターが中枢となり、クロアチア全土に小さな育成センターを張りめぐらす。そうすれば育成システム全体をコントロールできる。

 サッカー協会会長のダボル・シュケルを筆頭としたテクニカルチームが尽力してくれることを信じているし、なるべく早くにナショナルトレーニングセンターは完成させたい。そのためには書類申請や不動産登記など最後の詰めを解決し、そこを済ませれば1年後には完成する。ようやくクロアチア代表の全カテゴリーが国の施設で活動できるようになる」


――サッカー協会のプロジェクト作成において、どこの国を模範にしているのですか? 例えば、ドイツとかオーストリアとか。

 「模範にしている国はたくさんある。しかし、ドイツを真似ようにも、資金が必要になるじゃないか。ドイツは全国に366カ所の育成センターを設立した。クロアチアの育成キャンプは全国で21カ所(=全21県)。もちろん、クロアチアはドイツよりも小さな国だ。だが、私がメルセデス社をモデルにしてもベンツは作れない。資金もなければ、可能性もない。フェラーリ社をモデルにしてもフェラーリは作れないんだよ。しかし、クロアチアと似通った国、例えばハンガリーは参考になる。オーストリアは財政的にずっと強力な国であるがね。

 クロアチアにはとても有能な子供たちがいる。もしインフラやピッチのクオリティが一定水準にまで到達したら、クロアチアの実力はさらに向上するはず。そのためにもサッカー協会はプロジェクトの一環として、育成キャンプを開催し、全国の環境を整え、プログラムを作り、コーチを育てている。そうやって国内サッカーを発展させているんだ」


――あなたが例に挙げたハンガリーは、国家を挙げてサッカー強化に取り組み始めました。しかし、クロアチアはそうじゃありませんよね?

 「クロアチアは常に政治問題を抱えている国だ。現政府に関していえば『サッカーはお好きじゃない』のさ。現政府とサッカー協会の関係はギクシャクしており、我われは支援を得られていない。サッカー界と政治が互いに協力しなければ、大きなサッカー戦略を国家レベルで行うのは無理だ。現時点は協力関係がない。我われはこの問題にも立ち向かわねばならないんだ。サッカーを取り巻く環境が1995年とか2000年あたりから変わっていないことが残念でならない。近いうちに政権交代が起こることを私は希望している。そうなれば今よりもきっと関係は良くなるだろう」 ※かつてサッカーを国威発揚に利用したクロアチア民主同盟による政権交代が2015年冬に実現したものの、新政権は幹部が汚職まみれのサッカー協会とは距離を置いているため、現在も状況は何一つ変わっていない。


――クロアチア1部リーグは2年間で16クラブから10クラブまで削減したことでレベルが上がりましたが、ディナモ・ザグレブやリエカ以外のほとんどのクラブが財政難に苦しんでいます。

 「それは経済全体に左右されるものだ。サッカーによる問題ではない。サッカーはあくまでサッカーとして見ている。だが、国内を見渡せば、多くの企業や団体も財政問題を抱えているんだ。現在のクロアチアの経済状態は芳しくなく、それがインフラを筆頭にすべての問題と繋がっている。やはり経済というものは国家や政府における主要な原動力であり、始動機なのさ。もし経済が上向けば、ディナモやリエカ以外のクラブだって良くなるだろう」


――サッカー協会が作成した育成プログラムですが、実はクラブ間の普及が遅れており、下部組織の80%近くが独自の指導をしています。

 「1部リーグの主要クラブについては導入済みだが、2部リーグと3部リーグのクラブにまで普及できていない。導入するクラブが100%になるかならないかは私もわからない。だが、1部リーグから3部リーグまで全クラブが一丸となって育成プログラムを実行することがサッカー協会の願望でもあり、目標でもあるんだ」


――最後にお聞かせください。クロアチアのサッカー界の将来についてあなたはどのように考え、何を期待していますか?

 「長期的視野で見れば、この国のサッカー界が問題を抱えることはないと私は考えている。しっかりとしたシステムが築かれていることが理由だ。あとはインフラさえ良くなってくれれば、それがサッカー界を助け、楽にさせてくれるだろう。インフラが改善された時、もしくは経済がサッカーを支えるようになった時、クロアチアはますます強くなるはずだ。土台となる経済が不安定な限り、実力を維持したところでも何かと困難が待ち構えてしまう。

 それだけに我われはインフラ水準も経済水準も世界同等まで引き上げなくてはならない。そうなった時、育成システムや選手のテクニックなどあらゆる面で今以上の発展が見込めるだろう。クロアチアの経済は厳しい状態で、不景気がサッカーにも反映してしまった。しかし、そんな逆風にもかかわらず、クロアチアという国が唯一結果を残したものこそが『サッカー』と言えるのだろうね」


■プロフィール

ロメオ・ヨザク
Romeo Jozak

1972年10月11日生まれ。ザグレブ出身。現役時代は無名のウインガーだったが、20代から指導者として頭角を現し、国内外に名を轟かす育成のエキスパート。UEFAプロライセンスとザグレブ大学体育学部博士号を所有。ディナモ・ザグレブやオシエク、リビア代表のコーチを経たのち、2008年にディナモのユースアカデミー校長に就任。2010年からはサッカー協会のテクニカルディレクターを兼任したのち、2013年からは専任職となり、女子も含むクロアチア代表全カテゴリーを統括する強化を担当。昨年にはサッカー協会の育成プログラムを一冊にした書籍も発表している。昨年3月にサッカー協会を離れ、ディナモのスポーツディレクターを4カ月務めたのち、8月からはポーランドの強豪レギア・ワルシャワの監督にも挑戦した。現在はUEFAのデベロップメント・テクニカルアシスタント委員会のメンバー。本人のホームページ(https://romeojozak.com)。


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戦争、民族問題で分断され相容れない国家、民族、サポーターはなぜ、病的なまでにサッカーを愛し続けるのか? 否、だからこそ彼らはサッカーにすべてを注ぎ続けるのか? 旧共産圏の知られざるサッカー世界をめぐる壮大な見聞録がここに完成。


Photos: Yasuyuki Nagatsuka, Getty Images

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FIFAワールドカップクロアチア代表ロメオ・ヨザク

Profile

長束 恭行

1973年生まれ。1997年、現地観戦したディナモ・ザグレブの試合に感銘を受けて銀行を退職。2001年からは10年間のザグレブ生活を通して旧ユーゴ諸国のサッカーを追った。2011年から4年間はリトアニアを拠点に東欧諸国を取材。取材レポートを一冊にまとめた『東欧サッカークロニクル』(カンゼン)では2018年度ミズノスポーツライター優秀賞を受賞した。