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ジェフ千葉はどうすればJ1に残留できるのか。「キワの戦い」を制すための決定力とプレス回避

2026.10.30

J2からの昇格を果たしたジェフユナイテッド千葉は、百年構想リーグを最下位で終え、2026-27シーズンも最下位に沈む苦しいスタートを切った。しかし、[4-4-2]への回帰とハイプレスの再機能化によって、相手の前進を阻み、接戦に持ち込む力は着実に向上している。課題は、そこで得たチャンスを勝利につなげることだ。小林慶行監督が口にする「キワの戦い」を制するために必要なものは何か。戦術的な進歩と残された課題から、J1残留への道筋を探る。

接戦に持ち込む力はついた

 プレーオフに勝っての昇格、百年構想リーグ20位。千葉のスタートポジションは最下位だった。ビルドアップとプレッシングの両面でキーマンだった高橋壱晟の神戸への移籍、さらに負傷者続出の影響で、開幕時は急造の5バックで始めている。

 広島、町田、FC東京と現在上位にいるチームに3連敗。さらに川崎F、岡山に敗れる前途多難のスタートだった。

 しかし、そこから待ち直した。勝利したのはG大阪との第6節だけだが、内容的に勝てそうな試合が続いている。

 第12節のC大阪戦は2-0とリードを奪っていたのに、ロスタイムで2失点して引き分けた。やはりロスタイムで同点(1-1)にされた第9節長崎戦も勝つべき試合だったと言える。

 内容で勝つ見込みが薄かった開幕当初に比べるとかなりの進歩である。依然として最下位ではあるが、残留争いを抜け出す可能性は出てきている。

 ポイントは相手のビルドアップを阻止して前進を阻めるようになったこと。

 当初の5バックから、J2時代からの[4-4-2]に戻し、特徴であるハイプレスが復活した。C大阪、横浜F・マリノス、浦和に対して容易な前進を許していない。上位陣を除けば、接戦に持ち込めるプレーはできるようになった。

 課題は相手のプレスを外して前進すること。特にローブロックに押し込まれた場合に、そこから前進できるようになることだ。これがまだ十分でないので、終盤に捨て身の反撃に出た相手を押し返すことができず、失点して勝ち試合を引き分けたりひっくり返されたりしている。

 もっとも、押し込まれた状態から常に押し返せる、あるいはカウンターでチャンスを作れるチームは限られているので、これは千葉だけではなく大半のチームにとっての課題だ。これを簡単にできるなら現在の順位にはいないし、上位相当の実力と言っていい。

 なので、目下のところは刹那の勝負、小林慶行監督がよく口にする「キワの戦い」に勝ってチャンスを作り、それを確実に仕留めて勝利につなげることが目標になるだろう。

接戦を勝ち切るためのキーマンたち

 [4-4-2]システムはハイプレスとミドルゾーンでのブロックに向いていて、さほど細かい約束事がなくても守れる。千葉は開幕時に緊急措置的な5バックを採用した以外、J2の時から[4-4-2]でプレーしてきた。その点では手慣れていて、ハイプレスの機能性もあり、中位レベルの相手には効果を発揮するようになった。

 一方、相手のプレスを外して前進する方はまだまだ。つまり、相手の前進を阻止できるけれども、自分たちもなかなか前進できないので、ボールの奪い合い、セカンドボールの取り合いが基調になり、どちらがはっきり優勢かわからない接戦の流れで刹那的に得点し失点するという試合になっている。

 相手に前進を許さず、自分たちは常に前進できるのが理想。千葉はその理想に向かってきたが、J1ではまだ半分しかできていない。そして多くのチームがそうなので、これからも接戦は続いていくと思われる。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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