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遠藤航の自然体「4-2-3-1でも4-3-3でも、自分たちがやるサッカーは変わらない」独占インタビュー前編

2021.12.18

今年9月に初の自伝『「楽しい」から強くなれる プロサッカー選手になるために僕が大切にしてきたこと』(ハーパーコリンズ・ジャパン)を上梓した遠藤航。ここでは、その後3カ月の間に向き合ってきたチャレンジの続き――全6試合にフル出場したW杯アジア最終予選、新キャプテンに任命されたシュツットガルト3シーズン目の舞台裏から、MFとしての将来像や4児の父としてのプライベート秘話、勝負の2022年に向けた意気込みまで、ピッチの内外で“当たり負けしない”28歳の日本代表が現在の胸の内を明かしてくれた。12月3日収録の独占インタビューを前後編でお届けする。

日本代表、軌道修正の裏側で

「システムありきではなく、相手によって柔軟な対応を」

――まずは、日本代表に関して訊きたいと思う。11月のアウェイ2連戦を経てアジア最終予選グループ2位(4勝2敗)に浮上したチームは、前月オーストラリア戦(○2-1)からの[4-3-3]システムへの切り替えが功を奏した格好で、2022年ワールドカップ出場に向けて軌道修正がかかった。予選途中での基本システム変更は、森保一監督としても大きな決断だったはず。物理的にもチームの中心となるアンカーの立場として、事前に監督からインプットを求められたりはした?

 「『システム変更!』みたいな大々的な話はあまりなくて、練習で[4-3-3]をやりながら『次は[4-3-3]で行くんだな』と自然と理解していった感じです。監督もいろいろとシステムのオプションを考えながらやってきて、そういう流れの中で、あのオーストラリア戦で[4-3-3]が採用されて、僕のいる中盤に関して言えばマンツーマンで敵に当てるという形になりました」

――試合までの時間が限られていても、チームは新システムにスムーズに対応できていた。

 「そうですね。そもそも、システムはシステムでしかないというか、個人的な考え方としては[4-2-3-1]だろうが[4-3-3]だろうが、自分たちがやるサッカーのベースになる部分は変わらないと思っています。システムありきではなく、対戦相手によってどう守るのかというように柔軟な対応ができる方がいい。オーストラリア戦では、システムを変えたことで中盤での役割がより明確になった部分もあって、お互いにしっかりコミュニケーションを取りながら、いい守備ができていたと思います」

――年内最後の代表戦となったオマーン戦(○0-1)などでは、時間が経つにつれて遠藤選手が前に出て行く場面が増えていったけど、攻守を含むバランスの調整や改善は基本的に選手自身の判断に委ねられているのかな?

 「モリ(守田英正)とアオ(田中碧)がインサイドハーフでしたけど、3センターは臨機応変に誰がどこにいても問題はなくなってきました。オマーン戦でも、自分が前に行けば、アオが後ろめのポジションでボールを受けたり、引き出したりしてくれていた。もちろん、点を取らないといけない状況でもあったんですが、後半に意識して上がるようになったというよりは、お互いのポジションを見ながら自分のポジション取りを決めていったという感じでした。中盤3枚の構成からしても、今後はアンカーの自分がインサイドハーフとしてプレーしている場面が、前半からあってもいいと思っています」

11月16日の敵地オマーン戦で。3連勝を果たした日本は、首位サウジアラビアと勝ち点4差、3位オーストラリアと同1差の2位に浮上した

――東京オリンピックでのU-24代表で2ボランチの相方だった田中選手とのプレーは、もうやりやすいと感じられるまでになっている? 

 「特に攻撃では、ボールの受け方にしても立ち位置にしても、自然と互いの動きを見ながらやれるようになっています。アオとのプレーに限った話ではなく、そういう選手とはすごくやりやすいし、周りもそう感じてくれているんじゃないかと思います」

――今季から2.ブンデスリーガのフォルトゥナ・デュッセルドルフにレンタル移籍している田中選手から、シュツットガルトでドイツ2部も経験している(2019-20シーズン)先輩としてアドバイスを求められるようなことは?

 「代表で会うたびに話を聞いていると、やっぱり初めてで苦労しながらやっている感じはありますね。代表とはチームとしてのやり方も違うだろうし、クラブレベルでもアオの場合は(素早くショートパスを繋いで組み立てる)川崎フロンターレでやっていたので、今までよりもピッチ上での周りとの距離が遠いという感覚的な違いもあると思う。インテンシティの部分でも、ブンデス2部だと攻守にわたって上下に走らないといけなかったりすることがけっこうあったりします。今はまだ、そういうJリーグとブンデスリーガの違いを実感している時期なんじゃないかと思うので、とにかく、その違いに慣れるためにもやるしかないとか、より『個』にフォーカスした方がいいんじゃないかという話をしたりはしています。中盤でボランチとかアンカーとして海外のピッチに立っていると、日本のピッチ上よりも自分で何とかしないといけないと感じることがけっこうあって、チームの心臓部というか、中心的な存在となるポジションとしては、そこで実際に個の力で何とかするんだという気持ちを持ち続けることも大切だと思います」

写真は東京五輪の準決勝スペイン戦。その後A代表でも10月12日のオーストラリア戦以降、3戦連続で5歳年下の田中碧(左)と3センターを組んでいる

シュツットガルトの新主将として

「どうしてドイツ語を話せない自分が指名されたのかを考えると…」……

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シュツットガルト日本代表遠藤航

Profile

山中 忍

1966年生まれ。青山学院大学卒。90年代からの西ロンドンが人生で最も長い定住の地。地元クラブのチェルシーをはじめ、イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』『ペップ・シティ』『バルサ・コンプレックス』など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。

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