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アジア杯で「また火がついた」。中村敬斗がSランス、代表のポジション争いで目指す地位【現地取材】

2024.03.20

3月21日、26日に行われる2026年W杯アジア2次予選の北朝鮮戦。三笘薫と伊東純也を欠く日本代表のウイング陣で活躍が期待される一人が、スタッド・ランスで伊東のチームメイトでもある23歳の中村敬斗だ。「頑張るモチベーションになった」と言うアジアカップ経験後の現状を、フランスで取材を続ける小川由紀子さんが、17日メス戦後の談話を中心にレポートする。

常に伊東を見て…「やってきたことが報われてよかった」

 スタッド・ランスが重要な勝利を手にした3月17日のリーグ1第26節。ホームでメスを2-1で下した一戦では、終盤79分の伊東純也による決勝ゴールが絶賛されたが、その起点となったのは、73分から途中出場した中村敬斗のボール奪取だった。

 アウェイチームがバックラインから中盤に向けて展開したところで、相手MFの甘いボールさばきに中村が絶妙なタイミングで走り込んで奪取すると、間髪いれずにレダ・カドラにパス。カドラからパスを受けた伊東がゴール前に切り込み、矢のようなシュートを叩き込んだ。

 そして中村は、カドラに預けた後、すかさず前線に走り込み、伊東のシュートが万が一こぼれてきた時にセカンドボールを狙えるポジションを取っていた。

 ボールがこぼれてくる場所を感覚的に察知して動ける、中村の得意技の一つだ。また常に伊東を見て、彼のチャンスに繋がるボールを出すことを意識してプレーしている姿勢もしっかりと形になった。試合後、中村本人が「やってきたことが報われてよかった」とこぼした言葉からも、手ごたえが伝わる。

メス戦のハイライト動画。中村のボール奪取に始まる決勝点のシーンは7:37〜

 伊東のゴールの直後には、中村にも惜しいシュートがあった。カウンターのチャンスで右サイドを駆け上がったカドラからゴール前でボールを受け、ダイレクトでボレーシュート。相手GKのファインセーブで防がれたが、決まっていれば日本代表2人の連続ゴールとなっていたところだった。

 「あれを決められればまたこれからが変わってきたかと思うと、ちょっともったいなかったかなと思います」と中村は振り返ったが、この発言はアジアカップから戻った後、先発と途中出場が交互に訪れている現状を示唆しているようだ。

 しかし「(この状況は)ポジティブにとらえています。ポジション争いがある中でサッカーをやるっていうのは当たり前なので」と中村は前向きだ。……

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2026年W杯スタッド・ランスフランスモハメド・ダラミーリーグ1中村敬斗伊東純也日本代表

Profile

小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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