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パシフィック・メディア・グループ、 「弱者のマネーボール」を追求する新たな一大勢力

2021.12.01

TACTICAL FRONTIER

サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットの発達で国境を越えた情報にアクセスできるようになり、指導者のキャリア形成や目指すサッカースタイルに明らかな変化が生まれた。国籍・プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか? すでに世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方を提案したい。

※『フットボリスタ第87号』より掲載。

 アメリカと中国。経営と投資のスペシャリストがそろう2つの経済大国にルーツを持つ投資企業が、欧州のフットボールにおける存在感を急速に高めていることを知っているだろうか? パシフィック・メディア・グループの発展において、欠かせないのが中国系アメリカ人チエン・リーとアメリカ人ポール・コンウェイだ。コンウェイは子どもの頃からフットボールをプレーしており、左利きのCBだった。投資銀行でのキャリアを経て、中国で企業の収益化に挑んでいた男が再びフットボールの世界に舞い戻ったのは運命だったのだろうか。今回は、先進的なアプローチで欧州の席巻を目指すパシフィック・メディア・グループについて紹介していこう。

ホテルと投資銀行、異業種のコラボレーション

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チエン・リーパシフィック・メディア・グループポール・コンウェイマルチクラブ・オーナーシップ

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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