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今季の浦和は変化に富む。“ユンカー仕様”の新たな形、その強みと弱み

2021.05.18

ルヴァンカップ柏レイソル戦での鮮烈なデビュー戦ゴール以来、公式戦3戦連発と早くもチームに欠かせない存在になっているキャスパー・ユンカー。ノルウェーリーグ得点王の加入で浦和レッズがどう変わったのか分析してみよう。

 ノルウェーの昨季トップリーグで25試合27得点。得点王とMVPをダブル受賞し、所属するFKボデ・グリムトをリーグ初優勝に導いた点取り屋、キャスパー・ユンカーが浦和レッズにやって来た。

 初ゴールに要した時間は、9分。ルヴァンカップ柏レイソル戦でデビューを飾ると、前半9分に汰木康也のパスに走り込み、左足でファーサイドへ、クロスファイアシュートを流し込んだ。スピード、冷静なフィニッシュも見事だったが、オフザボールの駆け引きもいい。プルアウェイして外へ膨らむ動きに、柏DFはぴったり付いてきたが、ユンカーは狙うスペースをニアへ切り替え、三日月の動きでカットアウトして汰木のパスを呼び込んだ。

ルヴァンカップのグループステージ第5節、柏戦で初シュートから初ゴールを生み出したユンカー(3:13~)

 得点王は伊達じゃない。点の取り方を知る貴公子は、続くリーグ戦も、ベガルタ仙台戦で1ゴール、ガンバ大阪戦で2ゴール。公式戦3試合連続ゴールと、最高のスタートを切った。興梠慎三がトップフォームに戻らない中、浦和にとっては待望のストライカー登場である。

「ゼロトップ」から「サイド攻撃」へ

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戦術浦和レッズ

Profile

清水 英斗

サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』『日本サッカーを強くする観戦力 決定力は誤解されている』『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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